鞍岳と言っても、ピンとくる人は殆どいないかもしれない。九州の熊本県にある標高1118mの、何の変哲の無い山で、九州百名山に数えられる事がなければ、きっと登る機会するなかったであろう山だ。山頂の近くを通る鞍岳林道から登れば、30分程度でのぼれる鞍岳。山頂からの展望が実に見事なのである。久住連山と阿蘇連山が雲に浮かび並んでいる姿は秀逸だ。そして日本に居ながら、地球の丸さを感じられるような広大な眺め。また再訪したい山が一つ増えた。
鞍岳林道登山口8:45→鞍岳山頂9:05~15→鞍岳林道登山口9:30
原野の中の小ピーク
阿蘇の根子岳に登った翌日、もう一山近くの手頃な山に登ろうと選んだのが鞍岳だった。前夜の宿が阿蘇北麓だったこともあり、アプローチが良いことも選択の理由だった。
赤水駅から二重の峠へ向かい県道339号線(ミルクロード)を北上していくと、左手に小さな頂きが二つ見えてくる。その高い方が鞍岳なのである。端辺牧野の原野に伸びる鞍岳林道に入り、登山口標識のある所まで入る。少し広めの道端に車を停め、此処から歩き始めた。
思ってもみなかった大展望
登山道はアセビ等が混じる、明るい潅木帯の中を進んでいく。山頂までは30分も掛からない道のりで、木が無くなると展望が開けてくる。山頂は草原の中に岩が盛り上がった様な感じで、すこぶる展望が良い。先ずは東に阿蘇五岳、その南側には俵山等の阿蘇外輪山から九州山地、端辺原野を挟んで北側には九重連山、振り返れば多良・雲仙方面の山も霞の向こうに見えてくる。この素晴らしい展望を簡単に得る事が出来る鞍岳。何時かまた、季節を変えて訪れてみたい。