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 初日は最初から、雨具のズボンを身に着け傘を差しての歩き始となった。降ったり止んだりの天気だったが、雪渓上部に達するころには再び日が差し、雲海も見える位になる。残念ながら天候回復は一瞬で、再び雨が降り出し雷まで鳴りだした。頂上宿舎で1時間程雨宿りした後、漸く宿泊を予約した白馬山荘へ辿り着いた。
 2日目の早朝、霧が晴れ白馬岳が見える中、展望に期待して出発。丸山を越える辺りまでは雲間から展望開けていたが、次第に霧が濃くなる。杓子岳への登りにかかかる頃には、濃い霧の中の歩く様になり、鑓ヶ岳に着いても残念ながら霧が晴れることは無かった。霧に隠された後立山の山並みを思い浮かべながら、その頂に立った鑓ヶ岳。昨日の雷を思えば、山頂に立てただけで良かったなと思い返した山旅であった。


(13日) 猿倉登山口5:30→白馬尻荘6:30~40→雪渓取付6:55~7:05→雪渓上部8:15~20→石室跡8:35~40→避難小屋9:25~30→看板9:55~10:00→頂上宿舎10:30~11:35→白馬山荘11:50
(14日) 白馬山荘5:10→頂上小屋5:2035→丸山545→杓子東分岐6:20→杓子岳6:40~50→杓子西分岐7:00→小鑓7:30→鑓ヶ岳7:4055→小鑓→杓子西分岐8:25→杓子北鞍部8:459:00→丸山9:30→頂上小屋9:4050→看板10:10→避難小屋10:25→石室跡10:5055→雪渓上部11:1015→雪渓取付11:4512:00→白馬尻荘12:10→猿倉登山口12:55

天気予報を睨みながら山小屋を予約

 盆休みを利用して白馬の鑓ヶ岳に登ろうと山行計画を立てた。日帰りでは難しい距離のため小屋泊りとなるが、白馬岳は人気の山。盆休みには、山小屋の混雑が予想された。800人定員の白馬山荘に電話をかけると、13日の予約は250人ぐらいとの事で、週間天気予報を睨みながら、天気の比較的安定していた8月13日の白馬山荘を予約した。ところが2日前から予報が悪化、山の天気予報は「曇りまたは霧、小雨一時雷雨」となる。迷っていたが14日には好転する予報もあり、予定通り出発することにした。

猿倉駐車場

猿倉荘

登山口

林道を白馬尻へ

虹がかかる

小雨の中、傘を差して歩き始める

 1時前に東京を出発し、白馬へは4時頃に到着する。登山口となっている猿倉の駐車場は直ぐ満車となり、週末や盆休みは途中の二股から入れない日が多い様だったが、前日の天気が悪く、ひょっとしたら猿倉まで入れるかなと思い車で林道を走ると、果たして二股にゲートは設置されていなかった。駐車場に着くと未だ10台程度は余裕がある感じで、奥の隅に車を停めることが出来た。早速準備を始めるが、此処で雨が降り出した。薄日は差ししているのだが不安定な天気に、最初から雨具のズボンを身に着け、傘を差しての出発だ。駐車場から猿倉荘に上がると雨脚が強まり、屋根のある洗面所で暫く雨宿り。雨が小降りになった処で傘を差して歩き始めた。

林道終点

登山道になる

白馬尻荘

雪渓への取付き

雪渓を登り始める

アイゼンを付け雪渓へ

 林道を歩いていると雨があがる。ふと正面を見ると、前方の尾根に虹がかかっていた。猿倉から40分程で林道終点を通過、さらに30分程で白馬尻小屋に到着、これから登る雪渓が見える様になった。白馬尻小屋からは、15分程度で雪渓取付きに到着。これまで傘を差したり、仕舞ったりを繰り返してきたが、雨脚が強くなった為、雨具の上着も身に着けて軽アイゼンを装着して雪渓を登り始めた。

次第に斜度が増す

雪渓を先まで見渡す

中間点通過

振返ると雲間が広がる

雪渓上部

落石注意

 朝早いせいか、雪渓の表面は氷になっていて、アイゼンの歯が気持ちよいほど良く効く。順調に登っていると、前方から「ラク」の声が。見ると30センチ位の小岩の塊が雪渓の上を転がり落ちてきた。自分も「ラク」と声を上げ下へ伝える。落石は雪渓の真ん中を下の方へと消えていく。幸い事故は無かったが、雪渓歩きの危険を感じる一瞬だった。雪渓の落石は、転がり落ちるうちに低い雪渓の中央に集まってくる。雪渓の踏み跡が、中央を避けているのは、踏み抜きの危険を避ける他に、落石の危険を少しでも少なくする為でもあるのだろう。

急斜面が始まる

沢を越える

石室跡

霧の中を登る

お花畑避難小屋

頂上小屋で雷雨が去るのを待つ

 1時間10分で雪渓を登り切る。この頃には、標高の高いところは雲がかかっていたが、雪渓より下は展望が開け、遠くの山並みや雲海も見える様になった。が、初日で最も天気が回復したのがこの時で、アイゼンを外し、再び斜面を登り始めると再び霧が濃くなってきた。石室跡からお花畑避難小屋へと登る頃には、雨が再び降り始める。そして雷もなり始めた。何とか本降りになる前に、稜線に建つ頂上小屋へ到着。雨宿りをさせてもらうことにする。雨脚が強まり雷も少し近くなった感じだ。1000円の天婦羅饂飩を注文し、昼食を採りながら雨が止むのを待った。

花畑を登る

雨の中、遠雷が聞こえる

花畑看板・この上で雷が光る

霧の中に小屋の影が

頂上小屋で雨宿り

日本最大の山小屋・白馬山荘

 雨宿りさせてもらうこと約1時間、表で様子を見ると雷は収まり、雨も小雨となった。此処から白馬山荘までは、あと少しだ。早く白馬山荘で休みたいとの思いもあり、白馬山荘へ向けて出発する。濃い霧のため、直ぐ近くなるまで白馬山荘は見えなかったが、15分で到着することが出来た。受付を済ましてから指定された2号16号室へ向かう。定員10名の8畳間だったが、この日は単独行者6人の相部屋で、比較的ゆったりと過ごすことが出来た。

白馬山荘への登り

白馬山荘到着

右側の1号館

泊まった2号館

スカイプラザ白馬

スカイプラザ白馬

 白馬山荘は定員800人の日本最大の山小屋だが、設備も結構充実している。スカイプラザ白馬がレストランになっていて、生ビールや食事を注文する事が出来る。先ずはソーセージと生ビールを頂く。展望が無いのが残念だが、店の中は小さなビアホールの様な造りで快適な空間だった。チーズケーキと白ワインも美味しかった。夕食は17時からで、ハンバーグと6種類の付合せに味噌汁と御飯だ。山小屋の食事としては悪くない。味もまずまずだった。食後は、翌日の用意をしてから再びスカイプラザヘ。デザートにオレンジのタルトを頂きながら、紅白のワインをグラスで頂いた。

ビアホールの様なスカイプラザ

生ビールとソーセージ

チーズケーキに白ワイン

小屋の夕食

アップルタルトと赤ワイン

鑓ヶ岳目指して出発

 2日目は4時に起床、朝食は弁当にしてもらっていたので、持参の柿の葉寿司で小腹を満たしてから5時過ぎに出発する。雨は上がり霧も薄くなってきた。見上げると、白馬岳の山頂がスッキリと目に飛び込んできた。昨日夕方の山の天気予報では「霧のち晴れ・午後は小雨」となっていたが、午前の天気は予報通りの様だ。5時10分、鑓ヶ岳へ向かって白馬山荘を後にした。

朝の白馬岳

鑓ヶ岳へ向かい出発

白馬山荘を振返る

稜線の左にある旭岳

丸山を越える

杓子岳へ

 先ずは頂上小屋へと下り、丸山の小ピークへ登り返す。稜線の右手には、雲間に旭岳が姿を現す。格好の良い山だが、登山地図に登山道の印の無い山だ。丸山からは、杓子岳との鞍部に向かう下りが続く。天気が良ければ、杓子岳と鑓ヶ岳を正面に見ながら歩く展望の良い道なのだが、再び濃くなってきた霧が行く手覆い、展望が効かないのが残念だ。鞍部から緩やかな坂を上り始めると、縦走路と山頂への道の分岐点にさしかかる。ここから杓子岳へは、ガレた急な斜面を登っていくが、登山道の他にも踏み跡があり、注意深く道を外さない様に登っていった。頂上小屋から1時間少々で杓子岳に到着。霧で展望が無かったが、先ずは1山に登頂だ。

丸山のピーク

丸山から杓子へ

杓子岳への登り

写真のコメント

縦走路から杓子岳へ

杓子岳への登り

杓子岳山頂

杓子岳から稜線を進む

縦走路へ戻る

雷鳥の親子と出合う

鑓ケ岳

 杓子岳からは稜線沿いに進み、ハイマツ帯を下り縦走路へと出たが、ここで雷鳥に出会うことが出来た。親鳥と雛鳥の計6羽が、登山道脇で様子を伺っている。霧の中を歩いたからこそ、出合えたのかな。登山道は一旦鞍部へと下り、再び登り返す。岩の片斜面を登った小ピークが小鑓で、此処から一旦下り、もう一度登り返すと、縦走路と山頂へ向かう道のT字路に出た。標識に従い左へ折れ数分歩くと、鑓ヶ岳の山頂に到着した。霧で展望が効かないのが残念だったが、昨日の雷で山頂を踏めないかもしれないと思った事を考えれば、雨にも降られず、良く槍ケ岳へ登れたものだと思う。2日間の小屋泊まり山行で到着した鑓ケ岳、充実感のある山旅であった。

小鑓への登り

小鑓を越える

鑓ケ岳へ

縦走路分岐

鑓ケ岳山頂

杓子岳への登り返し

雲間から劔岳が

雲に包まれる杓子岳と鑓ヶ岳

雲の晴れた白馬岳

大雪渓を下る