カムイヌプリと呼ばれる摩周岳。アイヌ語で「神の山」という意味だそうだ。霧が出ることで有名な摩周湖の湖畔にある山で、標高は1000mにも満たないが、切り立った山容が特徴で、摩周湖の神秘的な美しさに彩りを添えている。
以前道東を訪ねた時、摩周湖周辺は霧がかかりその頂をみる事が出来なかった。摩周湖から湧いた霧が、この辺りにだけかかっていた様だ。それが一転して今回は快晴。深い青色をした摩周湖を眺めながらの、のんびりとした山旅となった。
第一展望台7:05→西別岳分岐8:30~45→摩周岳9:40~50→西別岳分岐10:15~25→第一展望台11:40
晴れた摩周湖を歩き始める
雄阿寒岳に登り厚岸の道の駅で車中泊した翌日、摩周岳に登ることにした。道東の直線的な道をレンタカーで登山口へと向かう。早朝の海岸近くの平原には霧がかかっていたが、摩周岳に近づくにつれて霧が晴れていく。以前通った時は、摩周湖周辺は霧がかかっていたが今回は逆、展望への期待が高まった。
登山口となっている摩周湖畔の第一展望台に着くと、藍色をした摩周湖越しに、独特の切立った形をした摩周岳が屹立しているのがはっきり見える。展望を楽しみながらの山旅になりそうだ。
笹原の登山道を進む
登山口からの道は、左手に摩周湖、右手に道東の広い平野を眺めながらの、のなだらかな尾根道が続く。笹原の所々に木立があるが、いたって眺めの良い単調な道だ。途中の小ピークに立つと、正面には西別岳、そして丘の向こうに摩周岳の山頂部の岩壁が姿を現す。西別岳との分岐を過ぎたあたりから、道は斜度を増して登山道らしくなってきた。
山頂から藍色の摩周湖を一望する
ダケカンバの疎林帯を登って行くが、山頂付近は結構な斜度があった。一気に高度を上げ辿り着いた山頂は岩場で、一気に視界が開けた。眼下には藍色をした三日月形の摩周湖。湖は切立った湖畔の壁を水面に写していたが、吸い込まれそうな深青色は神秘的でさえある。湖の周辺は深い森が続き、道東の山深さを実感する。天候に恵まれ、流れる雲を眺めながら、道東の自然を満喫した摩周岳であった。