富良野岳は十勝連峰の南に位置し、花の百名山にも選ばれている高山植物の豊富な山である。2009年7月後半の北海道山行では、十勝周辺の山々を歩くことを計画した。ところが最初の2日間は梅雨の様な天候で山旅は断念し、美瑛・富良野周辺を観光する事になった。最終日、天候は今一つながらも1山も登らずに帰るのは残念と云う事で、ときおり小雨の降る天候ではあったが、富良野岳を目指すことにする。展望を得ることはできなかったが、今が盛りの高山植物に出合う事が出来た富良野岳である。
十勝岳温泉登山口6:45→安政火口7:10→上ホロ分岐7:25~30→富良野岳分岐8:30~35→富良野岳9:00~30→富良野岳分岐9:50→上ホロ分岐10:35~40→安政火口11:10→十勝岳温泉登山口11:30
天候に恵まれなかった北海道
7月後半の週末、北海道の山旅を計画した。富良野西岳・美瑛岳・富良野岳の3山を登る事を目標に旭川空港に降りたのだが、天気が良くない。レンタカーを借りて初日は富良野周辺を観光する事にする。2日目も朝から雨で、朝一番で富良野の温泉施設に向かう。この日は後藤純男美術館や拓真館などの施設を巡り、アートな一日となった。そして3日目、夜の飛行機で帰京する最終日になったが、依然として天気はパッとしない。レンタカーで十勝岳温泉まで上がり、暫し空を伺う。小雨は降っているものの、薄日もさす天候に、雨具を身に着けて富良野岳を目指して歩くことを決めた。
火山礫の道を進む
登山道は十勝岳温泉から安政火口の手前まで、広い林道状の道を歩いていく。三段山への道を左に分け、安政火口を過ぎた辺りから漸く登山道らしくなってきた。赤茶けた火山礫でザクザクした感じの道を登山口から歩くこと約40分、上ホロ分岐に到着する。少し早いが此処で一休みした。
上ホロ分岐から先、道は低木帯の中、山体を捲く様にして高度を上げていく。勾配が比較的緩く、歩き易い道だ。この頃になると雨が上がり、薄日が差す様になった。登山道脇にはチングルマなどの花の群落が現れる様になり、楽しい道になる。花の群落の塊が次々と現れ、少し離れてみると、それが花畑になっていた。花の道は、富良野岳分岐の手前までしばらく続く。
花畑の斜面を登り山頂へ
花を楽しみながら富良野岳分岐に達すると、再びガスが濃くなってきた。ここから山頂まで、本来ながら展望を楽しみながらの稜線漫歩のはずだったのだが、一面真っ白で足元しか見えない。分岐から約20分で山頂に到着。幸い風は強くない。荷物を下ろし、見える筈の景色を想像しながら、花の山旅を思い返した富良野岳の山頂であった。