このサイトについての説明を入力します。

HOME > Next100山 > n100中国四国の山 > N100五段高原・天狗森

 四国の南西部に広がる五段高原は、国内でも有数のカルスト台地で「四国カルスト」とも呼ばれている。愛媛県と高知県の境にある高原状のカルスト地帯には、東西に自動車道路が通り、雪のない季節であれば簡単にアプローチする事も出来る場所でもある。カルスト地帯の中心にあるのが五段城、東の端に位置していて標高が最も高いのが天狗森で、3月末の早春、この両峰を訪ねた。


五段高原道路西谷8:05→五段城8:20→五段高原道路西谷8:30
天狗高原駐車場8:45→展望台9:00→分岐9:10→天狗森9:15→分岐9:20→展望台9:30→天狗高原駐車場9:45

仁淀で桜を愛でてから五段高原へ

 早朝に前夜の宿泊地であった高知市を出発し、先ずは仁淀町の瓢箪桜を目指した。樹齢500年の一本桜で、なかなか形の良い桜だ。早朝から大勢の花見客が来訪して、桜の周りは大賑わいだった。前夜の予報に反して青空が無いのが少し残念だったが、満開の古桜を楽しんでから五段高原へと向かう事にする。五段高原までは幹線林道が上がっていて、アプローチは比較的簡単だ。仁淀から約1時間で五段高原の天狗荘に到着する。車から降りると、強い風に煽られた。時折粉雪が風に舞っていて、とにかく寒い。気温を見るとマイナス1度だった。冬用の登山服に着替えて防寒装備を固め、先ずは五段城の近くへと向かった

五段城の山頂部

カルスト地形の中を登る

踏み跡を辿り山頂へ

五段城の山頂

五段城より天狗森を望む

登山道が廃道となっていた五段城

 五段城は四国カルスト台地の中では代表的なピークで、三角点も置かれている頂きだ。台地から盛り上がっている小山状の小ピークで、五段高原を東西に走る県道の直ぐ脇にある。登山口を探したがそれらしい標識が見当たらない。天狗高原と五段城の間にある道脇が広がった処に車を停め、歩いて道を探すことにした。水場の跡と思われる辺りから踏み跡を見つけ、三角点を目指して登っていく事にする。カルスト状の石灰岩の間を抜けて、ゆるやかな斜面を登っていく。五段城の山頂部と思われる一帯は、中低木の木が固まって生えている。三角点はその中にあるのだろう。西側から回り込むようにして樹林帯に入ると、三角点とペンキの禿げた山頂標識がみつかった。登山道から外れて年月が経っている様で、山頂部は荒れ気味であったが、三角点は踏むことが出来た。

天狗高原駐車場

登山口のキャンプ場

登山道標識は無いが道はしっかりしていた

稜線への登り

展望台

天狗高原から天狗森へ

 五段城から降りてから天狗荘のある天狗高原駐車場まで戻り、今度は天狗高原の最高地点である天狗森を目指す。地形図では、登山道は駐車場から天狗高原キャンプ場を抜けていくのだが、道の入り口には「遊歩道」の標識しかなく、何故か一般的な登山標識が無かった。他に道もなく、キャンプ場を抜ける道を歩き始める事にする。キャンプ場の上部にアスレチック施設があって、其処から上に登る道には「展望台」の表示。またしても山頂を目指す標識が無かったが、展望台への道を登っていく。10分程登ると、稜線部の下に、木で組まれた展望台が現れた。そして展望台の裏側で、初めて「天狗森」を示す山頂への標識が現れた。登山者がキャンプ場を抜けていくのを避けたいのかもしれないが、山頂への道は恐らくキャンプ場が出来る以前からあった筈で、もう少し山頂への標識があっても良い様に思えた。

稜線で漸く天狗森への標識があった

五段城を振返る

天狗森の頂が見えてきた

薄っすら雪の付いた稜線の道

遊歩道ルートと合流する

四国カルストの最高点

 展望台からは、緩やかなアップダウンを繰り返しながらの道となる。所々で展望も開け、気持ちの良いトレイルだ。苔生す地面と冬枯れの灌木帯は少し寂しい風景だが、あと1か月もすれば若葉萌ゆる道になるのだろう。歩き始めてから約30分、天狗森の山頂に到着する。山頂の少し手前は南側の展望が開けていて、高知南部の山並みが一望できた。山国四国の山景色と、四国カルストの景色を楽しむことが出来た山旅であった。

登山道脇のまんさくの花

山頂へのアプローチ

山頂手前より振り返る

天狗森の山頂

高知南部の山を一望する