鈴鹿山地の最高峰である御池山に、まだ残雪の残る4月に訪ねることにした。山体が大きく山上台地は広大で、草原が広がっていて展望は申し分ない。ただ残雪期には登山者も少なく、山頂近くでは残雪が道を隠し、ルートが不鮮明な箇所もあった。今回もあわや道迷いかという場面もあったが、展望が効いた御陰で登山道があるべき方向へ直進し、事なきを得た。今度は季節を変えて、訪ねてみたい山である。
鞍掛峠トンネル(6:15)⇒鞍掛峠(6:30)⇒鈴北山(7:15/20)⇒御池山(7:45)⇒鈴北山(8:25/45)⇒鞍掛峠(9:20)⇒鞍掛峠トンネル(9:35)
残雪の残る伸びやかな景観の中を歩く
岐阜で墓参りを済ました翌日、鈴鹿山地の最高峰である御池山を目指すことにした。琵琶湖湖畔にあるホテルを早朝5時出発、多賀を経由して登山口である鞍掛峠へ向かう。約1時間の行程だ。鞍掛峠を越える国道306号線は、降雪期間通行止となるルートであるが、桜の咲く4月には毎年開通している様だ。当初は峠から少し三重県側に下ったコグルミ沢から登ろうと思ったが、ルートが不鮮明になっている。丁度登り始めている親子連の話を聞くと、先週も登りに来ていて、谷筋は雪が腐っていて思いのほか時間がかかるとのこと、峠からのルートに変更する事にした。
峠には10台程度の駐車スペースがあり、此処に車を停めて6時過ぎに歩き始めた。天気は良く雲ひとつなかったが、風が結構強い。カッパの上着をはおって丁度よいくらいだ。峠への登りは15分程度で、峠からは展望を楽しみながらのトレイルとなる。鈴北岳の山頂部は、強風とカルスト地形の為か高木が生えておらず、カヤトの原っぱが広がっている伸びやかな景観が広がってて、気持が良い。登山口から丁度1時間で鈴北岳の山頂に到着した。澄んだ空気で展望がすこぶる良い。遠く中央アルプスや御嶽山、加越の山並みまで見渡せる景色は、文句なしに今年一番の展望だ。
山頂からの下山早々に、あわや道迷いに。
鈴北山から御岳山へは、なだらかな高原状のルートを歩くことになる。標高差もそれほどでもなく、展望を楽しみながらの、のんびりとしたトレイルだ。初夏になれば湿原風景が広がりそうな山頂湿原を巻くようにして、御池岳の北斜面に取りついた。谷筋には残雪ものこっていたが、まだ時間が早く足場はしっかりしている。念の為持参した軽アイゼンを使うことなく山頂に到着。早速、記念撮影を済ませる。
展望の良い鈴北岳まで戻り大休止しようと戻り始めたが、ここで道が分らなくなった。未だ登山者が少ない時期で、踏み跡は定かではない。大抵は登山ルートかどうかは、足裏感覚で判るものなのだが、残雪が消えたばかりの斜面は何処もがフカフカで、今日ばかりは感覚が頼りにならない。また御池岳山頂部は地形がなだらかで、斜面地形からの位置特定もしずらかった。久しぶりの道迷いだ。
方向を定めて直進し登山道に復帰する。
結局展望のきく高い所に登り返し、目指す鈴北岳の方向を特定。登りの登山道が東を巻いていることから、直線的に歩けば登山道と会合するに違いないと考え、方向を決めて歩き始めた。まだ時間に余裕はあるし、天気も良い。こんな時は、あせりは禁物だ。
方向を決めて歩き始めて約10分、しっかりと踏まれた登山ルートに遭遇。ホッとする。直線的にルートをとった結果、時間のロスも殆どなかった。結果オーライではあったが、残雪期には目印となるテープや紐の持参が必要だなと実感する。鈴北山まで戻り休んで大休止していると、早朝に強かった風も穏やかなものになって来た。今度は緑深い季節に来てみたいなと思った鈴鹿の峰々であった。