曽爾高原には中国の桂林を思わせる様な、独特の形をした山がある。柱状節理が発達している御蔭で、山の片側が切り立った形をしている峰々が並んでいるのだ。以前300名山を順に登っていた2005年4月に曽爾高原の倶留尊山を登りに来た際、その独特の形から強く印象に残ったのが鎧で岳と兜岳だ。当時はまだ山名も知らなかったが、五月の節句の鎧と兜の様だなと思って地図で確認すると、果たして鎧岳と兜岳であった。何時の日にか登りたいと思いつつ13年が経過、漸く登る機会を得る事が出来た。
葛テニスコート9:20→林道終点9:30→作業道分岐9:45→稜線9:50→兜岳10:20~30→稜線10:50→作業道分岐10:55→峰坂峠11:00→鎧岳11:20~25→峰坂峠11:40→作業道分岐11:45→林道終点11:55→葛テニスコート12:05
登山口を探して
東京を2時30分に出発、新東名経由で名阪国道の針へ向かう。此処からは一般道で曽爾へ、やはり奈良は遠い。予報より空模様が悪く曇り空、ただ雨にはならなそうであった。登山口付近には駐車場の情報が無かった。国道から集落を抜ける細い道に入り思案していると、地元の方が通りかかり集落の上にあるテニスコートの傍に、駐車出来る場所があるという。其処は兜岳と鎧岳を結ぶ稜線に突き上げる登山道に続く林道にあり、絶好の場所まで車で入ることが出来た。
杉林の中を歩き始める。
早速装備を固めて歩き始める。テニスコートから先、林道は植林された杉林の中を進んでいくが、歩き始めると程なく鎧岳兜岳へ向かう道を示す道標が現れ、道が間違っていないことがハッキリした。林道は10分程で終点となり、道は谷筋を登る九十九折の登山道となる。林業の作業路にもなっているらしく、道幅は広い。台風による強風の為か、道は倒木や落ちた枝で覆われていた。登山道に入り15分程で、鎧岳と兜岳の分岐標識が現れた。先ずは距離の長い兜岳を目指す。
兜岳を目指す。
登山道は分岐からひと登りで稜線部へと突き上げた。此処から兜岳への登りが始まった。遠目には鎧岳より兜岳の方が、稜線が伸びていて登りやすく見えるが、実際には兜岳の方が急傾斜の登りが多かった。植林帯から自然林に移る辺りでは、トラロープを頼りながら登る場所が続き息が上がる。小ピークから一旦下り登り返すと、兜岳山頂に到着。山頂からは東側に視界が開け、曽爾高原の峰々を一望する事が出来た。
鎧岳へ
兜岳からは一旦分岐まで戻り、鎧岳へと登り返す。作業道分岐から5分程で峰坂峠を通過、鎧岳へと向かう。鎧岳は正目から見ると柱状節理の岩壁が屹立していて険しそうに見えるが、反対側は比較的なだらかな稜線が伸びている。登山道は此処を通るため、意外と急傾斜路は少なく、意外とあっけなく鎧岳山頂へ到着する。木々に阻まれ展望が今一つではあったが、奈良の個性的な兜岳と鎧岳を、漸くにして登ることが出来た満足感に浸れた鎧岳の山頂であった。