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 3年前の11月に、近くまで訪ねるも降雪から断念した雪彦山に、漸く登ることが出来た。登山道はいきなりの急登で始まるが、正面登山道の真骨頂は、出雲岩を過ぎてからの岩壁をへつる登山道。流石は修験の山だけあって、鎖場や狭い抜け戸岩が続く。雪彦山と通称で呼ばれている大天井の頂を踏んでから、雪彦山の三角点ピークを往復し、大天井岳手前からの下山路をとったが、これがまた岩場の連続。地蔵岳近くを通る下降路も、なかなかのものだった。


登山口駐車場7:30→展望岩7:55→出雲岩8:25~30→大天井岳8:55~9:00→地蔵下降分岐9:15→雪彦山9:0~45→地蔵下降分岐10:10→地蔵岳分岐10:20~25→展望台10:40~45→虹ヶ滝合流10:50→登山口11:30

出発に手間取ったおかげで、紅葉を見ながら登山口へ

 姫路駅近くのホテルに宿を取り、5時過ぎに出発しようとしたが思いの外手間取り、雪彦へ向かって走り始めた時には6時頃になっていた。ただ遅くなった御蔭で日が昇り、紅葉を楽しみながらの走りとなる。この一週間の冷え込みで木々は色づき、登山口近くの雪彦神社は真っ赤な紅葉に包まれていた。神社の先にある道路脇の駐車場に車を停める。登山口は、駐車場から数分歩いたキャンプ場受付の脇にあった。林道を直進しないよう、路面に矢印が期されているのが親切だ。

展望岩から雪彦山を望む

 登山道は歩き始めから、結構な急坂の連続だった。大きな岩を回り込む様にしながら、一気に高度を上げていく。歩き始めて30分弱で、視界の開けた「展望岩」に到着。目の前に、雪彦山の大天井岳を望む事が出来た。雪彦山の三角点ピークは、大天井岳から40分位歩いた先にあるが、古来から雪彦山の盟主とされて来たのは、麓からも見える岩稜の頂である大天井山である。この岩稜の山に修験の道が開かれたのが、雪彦山登拝登山の始まりだった。岩稜の山は見るからに険しそうで、難路が待っていることを予想させる。

修験の道を辿って大天井岳の頂きへ

 「展望岩」からの道は幾分傾斜が緩くなり、植林帯の中を回り込む様に進んでいく。歩き易いのは「出雲岩」までで、その先はいよいよ修験の道らしくなってきた。先ずは樋状の鎖場を登り、大きな岩を回り込むと、狭い抜戸岩が現れた。岩の隙間は40~50センチ。抜戸岩は各地にあるが、これ程狭い処は初めてだ。大柄な人は、通り抜けるのが難しいかもしれない。抜戸岩を過ぎると、再び傾斜のきつい登り道。要所には鎖やロープが張られているので苦労は無いが、滑らないように慎重に登っていく。「馬の背」の標識が過ぎれば、山頂まではひと登り。最後の鎖場を慎重に通過して、漸く大天井山(通称雪彦山)の山頂に辿り着いた。山頂は木々に覆われていて視界が遮られる方角もあるが、南面からは播磨の山並みを一望する事が出来た。

一番の難所は下山路にあった。

 大天井山からは一旦下り、稜線上を上り下りしながら三角点ピークへと向かう。三角点ピークには「三角点雪彦山」の標識があったが展望の効かない頂で、やはり雪彦山へ登ったと言うのは、大天井岳に登った事を云うのが相応しい気がした。此処からは大天井岳近くの鞍部まで戻り、地蔵岳近くを通る下山路を取ることにする。周回コースより若干コースタイムが短かそうだったのが大きな理由だったが、このルートが実は今日一番の難所だった。

地蔵岳の脇を慎重に下り登山口へ

 大天井岳手前の分岐から少し歩くと、一気の下降が始まる。見降ろすような斜面を、真下に下る様な感覚で降りていく。途中、直下降路ではなく迂回路を歩いたが、決して楽な道ではなかった。地蔵岳への分岐を過ぎた辺りからは幾分斜度が緩くなるが、気を抜けない道が続く。途中ですれ違った登山者から「折角の天気だから、展望の良い地蔵岳に寄ればよい」と言われたが、既に分岐からかなり下っていて、登り返して向かう気にはなれなかった。下山路は次第に傾斜が緩くなり、虹ヶ滝の下で周回ルートと合流し、沢沿いの路を下っていく。そして歩き始めて丁度4時間、無事登山口に戻ることが出来た。
 漸くにして登る事が出来た雪彦山。青空の元、紅葉も見頃。とても充実した山旅が出来た。雪彦山は、今日歩いた他にも幾つかルートがある。東京からは遠い山で再訪できるかは判らないが、機会があればまた登ってみたいと思う素晴らしい山であった。