何時かは登りたいと思っていた本谷山。天気にも恵まれ、最高の展望を楽しむ事が出来ました。いきなり急坂で始まる登山道は、急登の連続。なかなかタフな道です。8合目手前で森林限界を越えると、越後の山並みに囲まれての稜線歩き。そして山頂からの展望は申し分ないものでした。
ただ標高差1400mの登山道は急坂の連続で、下山時は疲労を騙しながら、休息を長目に取ながらゆっくりと降りました。また登った日は、地元の方が登山道の下草刈をしていて、こういった登山道整備の御陰で登山が出来るのだなと、改めて地元の方に感謝した次第です。
林道ゲート5:01→登山口6:04~12→一合目6:35~40→三合目7:25~30→雨量計建物8:00~07→五合目三十倉8:20→七合目9:00~10→小穂口の頭10:07~20→本谷山10:52~11:17→小穂口の頭11:39~54→七合目12:30~35→五合目六合目鞍部12:54~59→五合目三十倉13:05→三合目13:32~45→一合目14:30~40→登山口15:00→シャコノ沢出合15:15~25→林道ゲート19:09
最後の1台だった駐車場
本谷山の登山口は、十字峡から三国川沿いの林道を遡った処にある。この林道は、県道233号線の十字峡トンネルを抜けた処から始まりますが、林道入口にはゲートがあり一般車両は入れない。ゲート付近に7台程の駐車場があるが、運よく駐車する事が出来ました。到着したのは4時30分で、その後で何台もの車が来たが停める場所が無く、少し離れた駐車スペースへと向かって行きます。装備を固めて、明るくなり始めた5時に出発。林道は途中で丹後山への登山道を右手に分け、1時間少々で本谷山への登山口である内膳落合に到着しました。
急坂で始まる登山道。
登山口脇には「本谷山登山口」の標識がありましたが、この標識が今日唯一の登山標識。道は、いきなりの急坂で始まります。前に進むと言うより、真上に上がる様なイメージで、高度をぐんぐん上げます。喘ぎながら登っていると、登山道の下草刈りに来ている地元の方にあっという間に抜かれてゆきました。
内膳落合の登山口から20分少々登った処で、漸く平らな場所に出ました。未だ少しの時間しか歩いていないのですが、ザックを下して一本立てます。追い抜いて行った下草狩の方が2人休んでいて、此処が1号目だと教えてくれました。そして道脇に打たれた「頭が赤い杭」がその印で、草刈りをする範囲の目安としている様でした。「今日は山頂からの眺めは最高だよ。」との言葉に励まされ、再び歩き始めます。
尾根上の登山道を五合目へ
1合目から先は平坦な道と急坂が交互に現れますが、1合目迄程の斜度は無くホッとしました。2合目付近では、木々の間から目指す本谷山の山頂と、稜線に突上げた処にある小穂口の頭が小さく見えます。「まだまだ遠いなあ。」と思いながらも、先に進みます。
ダケカンバの斜面を登り4合目を過ぎると、程なくコンクリート造りの雨量計測小屋が現れます。山奥には不釣合な程のしっかりとした施設でしたが、下流にダムがある事から正確な雨量計測が必要になり、しっかりとした雨量観測施設が造られたのでしょう。この雨量計測小屋から少し歩いた処が五合目の三十倉で、此処にはしっかりとした三角点の石が置かれていました。
五合目から一旦50m程下り、再び登り返した処が6合目。この間に両側が切れ落ちた狭い岩場を越える処があり、慎重に越えていきます。風の強い日などは、注意が必要でしょう。
8合目手前で展望が開ける
7合目付近で再び急坂が現れ、木の枝に掴まりながら高度を上げていくと、樹林帯を抜け出しました。視界が開け、正面に本谷山と小穂口の頭が、振り返ると中ノ岳と八海山を望める様になります。此処からは展望を楽しみながらの道となり、疲れた時は足を止めて山景色を一望、山頂での展望を楽しみに再び歩き始めるといった感じになります。8合目の手前では、地元方が2人一組になって登山道脇の下草を刈りながら、ゆっくりと登っていました。こういった方々の御蔭で、我々遠来の登山者も安全に登れるのだと思うと、感謝の気持ちで一杯になりました。
笹刈の地元の方に感謝しながら山頂へ
主稜線に突上げる登山道を登り切った処が小穂口の頭。此処で群馬側の視界が一気に開けます。奥日光から武尊山、そして谷川へと続く山景色は素晴らしいものでした。そよ風も吹いていて、とても心地良い場所です。何時までも眺めて居たいのですが、目指す山頂まであと少し、本谷山への主稜線を歩き始めます。この辺りでは、マツムシソウ等の高山植物の花が咲いていて、登山道に彩を添えていました。
一番上で草を刈っていた二人を追い抜くと、深い笹の中を進む様になります。登山道が判らない程ではありませんが、足場に注意しながらゆっくりと進みます。
静かな山の大展望
林道ゲートから歩き始めて5時間50分、本谷山の山頂に到着です。人工物の無い頂きというのは本当で、標識の類は、何もありませんでした。登った正面には平ヶ岳と燧ケ岳。北には丹後山へと続く稜線の向こうに中ノ岳と八海山。振り返ると三石山へと続く稜線の先に巻機山。そして南には奥日光から武尊を経て谷川へと続く群馬の山々。正に360度の大展望。心行くまで山景色を楽しんでから、名残惜しい山頂を後にしました。