日本三名山の霊峰にも数えられる白山。その白山にあって、御前峰、大汝峰とともに白山三山に数えられているのが別山である。ただ御前峰と大汝峰は1つの山の塊りとも言えるが、別山は横に御舎里岳を従え、独立した気風さえ感じられる頂だ。また御前峰から別山へと至る稜線部は花の宝庫で、これを辿りながら歩くのも楽しい。今回は白山別山を、独立した頂きの山として見てゆきたいと思う。
別当出合6:25→中飯場7:05~10→甚之助避難小屋8:20~30→南竜山荘9:10~20→油坂の頭10:30~40→白山別山12:00~10→チブリ避難小屋13:10~30→猿壁登山口15:40~16:00→市ノ瀬16:30
朝靄の中を歩き始める
白山の登山基地である白山市は、東京からだと実に遠い。初日は高速を使って福井へ向かい、市ノ瀬ビジターセンターまで入り幕営。翌日、別当出合までバスで入り、砂防新道を経由して南竜山荘へ、此処から稜線を南下して別山へ登り、尾根伝いに市ノ瀬まで下山する計画を立てた。
2日目の朝、朝食を済ませてバス乗り場へ向かうと、既に大勢の登山者がバスを待っていた。バスは何台かでピストン輸送している様で、長い行列だったが、30分程度の待ち時間で乗込む事が出来た。別当出合は大勢の登山者で賑わっていて、白山が人気の山であることを物語っていた。
砂防新道を登る
登山道は吊り橋を渡って始まったが、最初の内は行列を作って順番に登っていく感じで、まるで富士山登山の様だった。ただこれも中飯場の小屋を過ぎる辺りからはばらけ始め、甚之助避難小屋に着く頃には、「少し混んだ登山道」といった程度になる。小屋の外に出ると、目指す別山方面が良く見えた。
花畑の中を登る
避難小屋から少し上った処で、白山へ登る道との分岐点に差し掛かる。此処から南竜山荘をへ経由して別山へと向かうのだが、南竜方面に道を取ると、途端に登山道が静かになった。登山道の両側を彩る花を愛でながらの、少しのんびりとした山歩きだ。
南竜山荘から登山道は赤谷に向けて、一旦大きく降る。ここからの登り返しが油坂。少々しんどい登り道だ。この辺りまで来た時、良かった天気が崩れ始め、ガスに包まれる様になって来た。別山への稜線、展望が得られないのが残念だ。
雲に包まれた別山山頂
天池を越え、何度かガレ場を通過していったが、ガスは次第に濃くなる。道の両側に花畑があり、それがきっと続いている様なのだが、ガスに包まれ確認できないのが残念だ。御舎利山を越えると程なく、小さな祠間ある別山山頂へ到着した。
山頂で少しのんびりしたかったが、遠雷が聞こえてきた事もあり、早々に下山を開始する。コースタイム的には余り大差が無いのだが、少しでも早く稜線部から降りられるチブリ尾根コースで下山する事にした。山頂から1時間弱でチブリ小屋避難小屋に辿り着いたが、辿り着いたと同時に勢いよく雨が降り始めた。小屋に着いたのは幸いで、小屋で上下雨具を身に着け、市ノ瀬へと下山した。