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 今年の秋の休日は天候に恵まれない。台風の襲来などが週末と重なる事も多かった。そんな中、10月の三連休の最終日、上信国境の大源太山を訪ねた。バランスを要する2回の渡渉の後に取付く尾根道は、急登の連続だった。稜線部へ出ると、正面に大源太を望みながらの尾根道になるが、岩斜面を慎重に登る箇所が多く、気が抜けない。さすがは越後のマッターホルンと言われるだけのことはある。青空が無かったのが残念だったが、緑の斜面に紅葉が映える上信国境の山景色を楽しめた大源太山であった。


林道終点登山口6:25→第一渡渉点6:45→第二渡渉点7:00→矢助尾根中間点7:20~25→矢助尾根稜線下降点7:35→大源太山9:00~20→矢助尾根稜線下降点10:10~15→第二渡渉点10:40~50→第一渡渉点11:05→林道終点登山口11:20

スリル満点の2回の渡渉

 関越道を越後湯沢インターで下り、大源太川沿いに登山道へと向かう。林道の終点には、10台程度の車が停められる駐車場が設けられている。6時少し過ぎに到着したが、自分の車が到着してから15分程度で満車となった。少し早く出たのが正解だった。
 樹林帯の中に付けられた平坦な登山道を歩く事20分で、最初の渡渉点が現れる。北沢を渡るのであるが、前半は横に伸びる木の枝に捉まりながら、後半は沢に渡されたトラロープに捉まりながら沢を渡る。ロープが張られていなければ、バランスを取るのが難しかったであろう。
 沢の反対側を少し歩いたところで、シシシゴヤノ頭への道を分ける。北沢に流れ込む沢筋を越える場所にはハシゴが掛けられていた。第一渡渉点から約15分で第二渡渉点が現れる。北沢を渡り返すのだが、最初の石へはポンと飛び降りて渡った。帰路での渡り返しが心配だが、先ずは大源太に登ってからだ。

登山口

第一渡渉点に到着

第一渡渉点を、渡渉後に振り返る。

第二渡渉点に到着。

第二渡渉点を振返る。

急登の尾根道を辿り山頂を目指す。

 第二渡渉点からは北沢へと流れ込むムラキ沢沿いに少し上がり、途中から斜面への取付きとなった。結構な急坂が続くが、高度を上げるに従って色づく木の葉が多くなる。曇天で輝くような紅葉ではなかったが、しっとりとした紅葉の中を登るのも悪くない。足場は岩の片斜面をへつる様に登る箇所もあるが、設けられているロープは殆ど使わずに登って行けた。
 第二渡渉点から40分弱で、なだらかな稜線部へと出る。此処で登山道は左に折れ、山頂へと続く矢助尾根を登る事になる。最初のうちは背の高い木の下を登っていくが、急に樹林の高さが低くなり視界が開ける様になった。稜線の先には、紅葉をまとった大源太が聳えたっている。越後のターホルンと言われる岩の頂で、格好が良い。登山道のある稜線部は両側が切れ落ちているが、樹木があるお陰でそれほど怖くは感じない。ただアルプスの山の様な岩稜を越えていく箇所もあり、気の抜けない登りが続く。

石の斜面を登る

この先で稜線へ

大源太の頂が見えた

稜線を辿り山頂へ

越後のマッターホルン

 登山口から歩く事2時間30分、漸く大源太山の山頂に到着した。山頂からの展望は素晴らしく、直ぐ近くにはたおやかな「七つ小屋山」、その奥には雲を纏った谷川連峰、振り返ると湯沢の街が小さく見える。緑の斜面に紅葉の島が浮かんでいる「七つ小屋山」の山肌は実に美しい。これで青空と強い日の光が有れば言うことが無いのだが、雲はなかなか動きそうにないのが残念だ。七つ小屋山を経由する周回コースが面白そうだったが、今日は3連休の最終日。帰路の高速を考えると早く下山したい気持ちに傾むき、登路と同じルートで下山することにした。
 短い時間で登れる割に、変化に飛び充実した山歩きが出来る大源太山。紅葉を纏った秋の上信国境を楽しむ事が出来た山旅であった。

岩稜帯を登る

大源太山山頂

山中より七つ小屋山

岩場を慎重に下山する

下山途中で青空がのぞく

最後の渡渉点に着いた