蝶ヶ岳は上高地の東側にあり、その山頂からは正面に穂高連峰を望める、いわば「穂高展望台」とも言うべき山である。山頂へは東西南北から登山道が続いているが、安曇野から最も簡単にアプローチ出来るのが、本沢沿いの登山口から登る東側からのルートであろう。登山道がしっかりしていて急斜面も少ないことから、北アルプスを登り始めた登山者が、まず最初に挑戦するるコースとしても良く登られている様だ。この本沢からのアプローチで蝶ヶ岳を目指すことにしたい。
駐車場7:05→登山口7:30~35→2k地点8:30~40→まめうち平9:05~15→枯れ沢9:50~10:00→9合目10:40→山頂11:15~12:15→枯れ沢13:10~20→まめうち平13:45~50→登山口14:35→駐車場15:00
本沢沿いに歩き始める
前日の前穂高岳から下山後は、松本市内で宿泊。市内から登山口までは30分少々で着くことが出来たが、既に林道ゲート付近は登山者の車で一杯。何とか駐車スペースを見つけ、手早く装備を固めて歩き始める事にした。
林道ゲートから林道を歩くこと25分で登山口に到着。登山道に入ると直ぐ、常念岳への道との三俣分岐にさしかかる。登山道は沢を渡って樹林帯の中へ、いよいよ蝶ヶ岳への道が始まった。
歩き易い道を快調に登る
蝶ヶ岳を北アルプスに入門の山として選ぶ人も多いようだが、なるほど頷ける。水場もあり、登山道は比較的幅が広く良く踏まれている。また高低差の大きな段差が少ない為、傾斜地を登る割には疲れ難い。木々の間からの木漏れ日を受け、テンポよく歩みを進める事が出来た。歩き始めて約2時間、休むのに適した「まめうち平」に到着した。
樹林帯を抜けると一気に展望が開けた
「まめうち平」から先も、だらだらとした感じののぼりが続く。斜面をトラバース気味に巻いていくと、谷筋の反対側に常念岳が見える様になって来た。木々がオオシラビソから、ダケカンバやナナカマドの疎林帯になり、登山道も明るい道に。樹林帯を抜け草原状の坂道を登りきると、ハイマツ帯の向こうに山頂部が見え始めた。
穂高の岳展望台。
稜線部へ出ると一気に視界が開ける。正面には穂高岳が手が届く様な近さに聳え、右手奥には槍の穂先も見える。広いゆったりとした稜線を一登りで、蝶ヶ岳山頂に到着した。
山頂のすぐ下には、蝶ヶ岳ヒュッテ。辺りは幕営地にもなっていて、既に何張かのテントが設営されていた。それにしても展望の良い山頂で、山頂部がゆったりしたいるのが良い。沢山の登山者が、思い思いの場所に陣取って穂高連峰の眺めを楽しんでいる蝶ヶ岳の山頂であった。