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 紅葉には少し遅い時期ではあったが、晩秋の山景色を求めて、中央アルプスの千畳敷から将棋頭山を訪ねた。紅葉の終わりかけた晩秋の千畳敷カールから浄土乗越に上がると、将棋頭山を望むことが出来た。将棋頭山は中央アルプスの主稜線から東側へと伸びる稜線にある頂で、西側にある三の沢岳と対を成している。木曽駒ヶ岳を眺める展望台の様な位置にある山だ。途中の濃ヶ池からは、宝剣岳を見ることも出来た。ただ思ったより早い時間からガスがかかり、将棋頭山や馬ノ背尾根からの大展望が雲間からだったのが少し残念であった。


千畳敷7:45→乗越浄土8:20→宝剣山荘8:25~30→駒飼の池8:50→濃ヶ池9:20~30→馬ノ背分岐9:45→西駒山荘10:15→将棋頭分岐10:20→将棋頭山10:30~35→将棋頭分岐10:40→馬ノ背分岐11:05~15→駒ヶ岳分岐12:05→駒ヶ岳頂上山荘12:20→中岳12:30~35→宝剣山荘12:45~50→浄土乗越12:55→千畳敷13:30

晩秋の千畳敷を訪ねる

 中央アルプス千畳敷のホテルは、6ケ月前から予約が出来る。高山植物の最盛期に泊まりたいと思い、2018年の正月に7月末の宿泊を予約し満を持したが、あいにく台風の襲来でキャンセルに。何とか紅葉の季節に予約できたのが、10月13日の土曜日だった。千畳敷の紅葉は既に落葉していそうだったが、晩秋の山景色を求めて千畳敷から将棋頭山を目指した。
 早朝に東京を出発し、登山基地となっている菅野台バスセンターに着いたのが5時20分。この季節バスの始発は6時過ぎだが、既にバスを待つ行列が出来ていた。3台目のバスで、ロープーウエー山麓駅のしらび平へと向かう。ロープウエーも1台待ちで乗ることが出来て、7時15分頃には千畳敷へと上がることが出来た。紅葉はロープウエーの途中が見頃で、千畳敷周辺の木々は既に葉を落としていて晩秋の感じがしたが、天気は上々で青空が広がっている。山頂駅からは雲海の上、同じ高さに南アルプスの山並みを望む事も出来て、高山へ来た事を改めて実感する。

菅の台バスセンター

ロープウエーよりの紅葉

雲海に浮かぶ南アルプス

ホテル千畳敷

駒ヶ岳神社

浄土乗越から将棋頭山を見下ろす

 駒ヶ岳神社にお参りしてから、さっそく歩き始める事にした。千畳敷カールは、葉を落としたチングルマの赤茶けた色や、葉を落とした低木のクリーム色と、ハイマツの緑色がコントラストを成していた。紅葉の錦には及ばないものの、落ち着いた晩秋の山景色が見事だ。カールの淵へと登る登山道は次第に傾斜を増すが、良く整備されていて歩き易い登路だった。千畳敷から約35分で浄土乗越へと上がると、視界が一気に開ける。今日の目的地である将棋頭山も望むことが出来た。浄土乗越より少し低い為、見下ろす様な感じだ。

千畳敷カールわ振り返る

浄土乗越

乗越から見た将棋頭山

濃ヶ池から宝剣岳を望む

 登山道は宝剣山荘手前の分岐から、一気に谷筋へと下る。湧水が多く沢が何本も流れていた。千畳敷側よりも水が多い様だ。流の弱いところは水が凍っていて、温度が低いことを改めて感じる。宝剣山荘のある稜線部分から20分の一気の下りで、駒飼の池を通過した辺りから、登山道は平坦になった。所々に紅葉の名残があり、未だ色づく葉を枝に残している木々が目を楽しませてくれる。あと1週間早ければ、錦秋の景色であったことだろう。登山道が水たまりの中を進む様になると、程なく濃ヶ池に到着、一休みする事にした。

宝剣山荘手前の分岐を曲がる

駒飼の池

濃ヶ池より宝剣岳を望む

濃ヶ池から将棋頭山へ

 濃ヶ池でザックを下ろし振り返ると、池の向こうに宝剣岳の頂が展を突いているのが見える。北アルプスの槍ヶ岳を思わせる様な景色は、実に素晴らしいものだ。何時までも眺めていたい景色ではあるが、今日の行程は結構長い。一休みしてから先を急ぐ事にする。濃ヶ池から15分程で馬ノ背尾根との分岐に到着、此処からは正面に将棋頭山を眺めながらの歩きになった。
 ハイマツ帯の中を進む登山道は、結構歩き易く良いペースで進んでいく。御蔭で将棋頭山への分岐を見逃し、西駒山荘まで歩いてしまった。山荘は既に閉まっていて人は居ない。地図で位置を確かめ、5分ほど戻り山頂への分岐を確認。分岐を見逃すとは、少々油断していた。分岐より将棋頭山の頂へは、ハイマツ帯の中の平坦な道だった。分岐から10分程で将棋頭山の山頂に到着。中央アルプス主稜線の東に少し離れて位置する将棋頭山は、木曽駒ヶ岳の展望台の様な位置にあり展望が素晴らしいのだが、駒ヶ岳周辺は既に雲が上がり、その頂を望めないのが少し残念だった。

馬ノ背尾根に出る。

最初は見落とした山頂への分岐

将棋頭山の山頂

馬ノ背尾根を登る

雲間から宝剣岳がのぞく

駒ヶ岳分岐

馬ノ背尾根ルートで千畳敷へと戻る

 将棋頭山からの帰路は、濃ヶ池経由ではなく馬ノ背尾根を辿ることにする。登山地図での宝剣山荘迄のコースタイムは、何れのルートも1時間50分で同じだ。馬ノ背分岐で一休みしてから、尾根道を辿っていくが、途中眼下に濃ヶ池が眺められる場所も有り、雲間から時折顔を見せる駒ヶ岳を眺めながらの登り道は、飽きの来ない道だった。駒ヶ岳は以前に登っていたのと、丁度ガスがかかっていた事も有り、駒ヶ岳の頂上は踏まずにトラバース道を経由して中岳へと向かう。中岳が今日の最高地点になった。中岳より宝剣山荘を経由して千畳敷へと戻り、約6時間の山旅が終了する。錦の様な紅葉は終わっていたのが少し残念だったが、晩秋の落ち着いた山景色を堪能した将棋頭山であった。

2日目は朝から濃い霧に包まれる

下山のロープウエーより