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HOME > Next100山 > n100アルプスの山 > N100檜尾岳

 夏のアルプス山行で、中央アルプスの檜尾岳を計画した。木曽駒ヶ岳周辺の山では、昨年の10月に将棋頭山に、2012年の7月には三の沢岳に登っているが、木曽駒ヶ岳から南へ延びる尾根は歩いた事が無かった。木曽駒ヶ岳から空木岳へと伸びる稜線の中で最初にある目立った頂が檜尾岳で、千畳敷からの日帰り往復山行としては手頃な距離だ。当初前日の3日に登る予定だったが、朝は晴れるものの午後が雷の予報だった。2500mを越える稜線歩きで雷は避けたいところで、翌日の4日に登る事にした。


千畳敷7:05→極楽平7:30~35→島田娘7:45→濁沢大峰8:25~30→檜尾岳手前鞍部8:55~9:00→檜尾岳9:25~55→檜尾岳手前鞍部10:15~20→濁沢大峰11:00~10→島田娘手前11:50~55→島田娘12:10→極楽平12:20→千畳敷12:45

前日の雷雨で始発バスが1時間遅れ

 東京の自宅を1時過ぎに出発し、駒ヶ根の菅野台バスセンターには4時頃に着いた。すると入口に係員がいて、「前日夕方の雷雨の為、運行は安全確認が済んでからとの事で、始発が6時過になる。」との事であった。登山装備を固めて、バスを待つ行列とチケット売場に並ぶ。明るくなり始めた4時40分頃、県の黄色い車が安全確認に出発。5時15分頃に運行が決まり、始発のバスは6時とアナウンスされた。1番バスでシラビ平へ向かい、一番のロープウエイで千畳敷へと向かう。空は雲一つない快晴で、眼下には雲海が広がっていた。千畳敷には6時45分に到着、予定より1時間遅れだった。雷を避けるためにも、遅くても2時には千畳敷に戻りたい。山地図のコースタイムでは往復7時間になっている事から、何とか2時前には戻れそうだと判断、予定通り檜尾岳を目指して歩き始めた。

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稜線でアルプスの大展望

 千畳敷のカールには高山植物が沢山咲いていたが、チングルマは終わりかけの様だ。以前に三の沢岳を7月末に訪ねた時にはチングルマが見頃だった。雪の量の違いから、今年は花の時期が少し早いのかもしれない。千畳敷カールを登りきり極楽平へ上がると、正面に三の沢岳、左手には宝剣の向こうに木曽駒ヶ岳、右手には島田娘の頂が大きく、アルプスの山の真ん中にいる事を実感する。大展望を楽しみながらサンドイッチの朝食を採っていると、同じく一番ロープウエイで上がった独行の登山者が何人か追い抜いてゆく。同じ方向へ歩いてゆくので会話をすると、檜尾岳を通り過ぎて空木岳まで行く人が多かった。

 稜線上の斜面では夏の高山植物が花を付けていて、チシマギキョウ、タカネツメクサ、ウスユキソウ等が登山道に彩を添えていた。極楽平から少しの登りで島田娘(2858m)のピークに着く。標高的には此処が今日の最高点で、目指す稜線の先に空木岳、南駒ヶ岳等の頂が大きい。その手前の左奥に熊沢岳、右手前に檜尾岳が見えていたが、空気が澄んでいて遠くの山が近く感じられた為か、熊沢岳を檜尾岳と勘違いしていた。

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恐竜の背中の様な稜線

 島田娘のピークからは一気に鞍部へと下る。今まで見降ろす感じだった檜尾岳が何時の間にか見上げる様になり、遂には手前の小ピークの蔭に隠れてしまった。鞍部から次のピークに登り返すと、文字表記の無い標柱が立っていた。どうやら此処が「濁沢大峰」の様だ。ザックを下ろして一服する。水が美味しい。
 「濁沢大峰」から暫くは、大きな岩の塊が次々と現れる稜線を歩く様になる。恐竜の背中を歩いている様で、なかなか距離が進まない。檜尾岳方面から歩いて来る単独行の登山者と挨拶を交わすと、空木岳の小屋から歩いてきたという。流石はアルプスの山、健脚な登山者が多い。

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手前のピークだと思っていたのが檜尾岳だだった

 岩の塊の尾根が終り2つ目の大鞍部に降りると、正面には次の大きなピークの斜面が現れた。此処で小休止して、水分を補給する。この時は未だ、熊沢岳を檜尾岳と思っていたので、目的の頂はまだまだ先だと思っていた。足が吊らない様に塩飴を口に含み、斜面へと取り付く。斜面に付けられた展望の良い登山道を登りきると、頂には大きな標柱が立っていた。檜尾岳はまだ先だと思っていたら、先に到着していた登山者から「此処が檜尾岳だよ」と教えられた。標柱をよく見ると確かに「檜尾岳」と掘ってあり、東へ向かう尾根を少し下った処には避難小屋が断っていた。間違い無く此処が檜尾岳の頂だった。

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檜尾岳

 檜尾岳の頂は展望が素晴らしく、正面には熊沢岳から空木岳・南駒ヶ岳へと続く稜線が。振り返ると島田娘の奥に木曽駒ヶ岳。西には三の沢岳の奥に御岳山。東は伊那谷の向こうに霞のかかった南アルプス。360度の大展望を心ゆくまで楽しんだ。朝早く登り始めた登山者の到着時間帯なのだろう。山頂には5~6人の単独行登山者が丁度出合う形になった。極楽平からほぼ同じペースで歩いていた単独行の登山者は、未だ時間があるから熊沢岳まで行くと言って山頂を後にしていった。熊沢岳は確かに形が良く、行ってみたい気がする。ただ山地図でのコースタイムは此処から1時間50分。元々熊沢岳を檜尾岳と勘違いしていたから、熊沢岳を目指せば歩けただろう。ただこの頂が当初の目的地である檜尾岳と知った今、何かホットして力が抜けてしまった感があり、ロープウエイが1時間遅れた事を言い訳にして、今日は此処でひき返す事にした。

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アルプスの山歩き

 帰路は檜尾岳の鞍部を過ぎてからは、殆ど登山者と擦違わないロンリーな山旅となった。檜尾岳まで向かうには早立ちが必要だからでもあろう。また雲が稜線近くまで上がってきて、時折日差しを遮る様にもなってきた。雷の気配は未だなかったが、島田娘まで戻ったころには好展望は無くなっていた。戻りも順調で千丈敷には12時40分頃に到着、下りロープウエィの整理券は228番で、一回60人だったので混雑し始めてから4番目の下りに乗ることが出来た。ロープウエイの待ち時間に濁沢大峰の先で言葉を交わした登山者とも偶然挨拶が出来て、今日は朝の3時半に歩き始めたと聞いた。すれ違った時には既に5時間以上歩いていた訳で、アルプスを縦走するには、それなりの脚前が必要な事を実感した。

 アルプスの大展望を楽しむ事が出来た檜尾岳。今年の7月以降の夏山は天候に恵まれず、6月の取立山、7月の高松山、浄土山、薬師岳、秋田駒と何れも青空の無い山旅だった。漸く夏山景色を楽しむ事が出来た檜尾岳は、とても印象深い山となった。