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 以前から登りたいと思っていた、神津島の天上山を漸く訪ねる事が出来た。
 黒島登山口からは、階段状になっている九十九折り急登で、高度を一気に上げる。みるみる展望が開けるのが心地よい。10合目にあたる黒島山頂からは、台地状の山頂部にある平坦な道を進むことになる。やがて低木帯の先に、「砂漠」と名付けられた荒涼とした景色が現れた。表砂漠を左に分岐し、山頂を目指い。壮大な景観を楽しみながら辿り着いた山頂からは、真青な太平洋を一望する事が出来た。気分の良い天上山頂きであった。


黒島登山口8:00→オロシア石塁8:35~40→表砂漠9:05→天上山最高点9:16~30→天空の丘9:45→真東京百景9:55→表砂漠10:07~20→黒島山10合目10:35→黒島登山口11:02

高速船で神津島へ。

 竹芝桟橋の乗船待合所は7時に開く。早速窓口で、予約票を提示して乗船券を受け取る。今日は風が強く、御大島から先は条件付出航で、着岸出来ない時は夕方に戻ってくるという。また着岸出来ても、神津島は町の中心に近い神津港ではなく、東岸の多幸港に着く事を知った。冬に向かう11月は風の強い日が多くなる。以前カタクリ会で12月に大島へ渡ろうとしたら、天気は良いが風が強く船が欠航となる事があった。船で出るだけ良しとしなければならないだろう。
 高速船は、乗客全員がシートベルトを着用している事を確認して出航する。船旅では無く航空機に乗る感覚だ。船は大島、利島、新島、式根島を経由して、予定通り12時30分頃に多幸湾へ到着。街の中心地へは、船の時間に合わせて運行されている村営バスで移動。レンタカーを借りて、初日は明日の登山口を確認してから、島南部にある15分で登れる秩父山を訪ねてから宿へと向かった。

竹芝桟橋の乗船待合所

神津島雪のジェットホイール

船内の様子。

神津島の多幸港に着いた。

村営のバスで神津港へ向かう。

好天の下、黒島登山口を歩き始める。

 2日目は天候が回復、宿で朝食を済ませてから黒島登山口へと向かう。登山口への道路は、神津島の幹線道路から多幸湾へと抜ける広い道路を利用して、宿から15分程度で着くことが出来た。駐車場は無いが、登山口付近道幅が広くなっていて、車を停める事が出来る。綺麗な御手洗いも設置されていた。手早く装備を固め、歩き始める事にする。
 黒島登山口から山頂台地の一角にある黒島山までは、1合毎に標識が立っていて、歩くペースが掴みやすい。シダ類の低木に南国の植生を感じながら、階段状の登山道で高度を稼ぐ。みるみるうちに視界が開け、神津港や前浜海岸が眼下に収まる様になった。登山口から30分少々で、黒島十合目に到着。視界の開けた「オロシア石塁」で一本立てる。

宿の近くから見た天上山

登山口近くの駐車スペース

登山口より黒島山を見上げる。

黒島登山口

南国の植生の中を登る。

アキノキリンソウ。

ウメバチソウ。

8合目を越えたあたりから、舞う浜海岸を見下ろす。

十合目の標識が見えてきた。

山頂台地を表砂漠へ

 黒島十合目からは山頂台地を進む様になり、平坦な道になった。樹木のトンネルを暫く歩くと、やがて視界が開け、荒涼とした石と砂地を進む様になる。登山道が砂で覆われる様になると、程なく表砂漠と呼ばれる場所に到着した。此処の分岐を左に折れ、天上山の最高点を目指す。
 足元にはイソギクやリンドウの花が咲いていて、目を楽しませてくれた。11月も後半だというのに、流石は暖かな南の島の山だ。ペンキ印を辿ってゆくと、表砂漠から10分程で天上山の山頂に到着した。360度視界が開け、正面には太平洋の大海原、背後には荒涼とした天上山頂台地の景色が広がっている。なかなかの景観の山である。

オロシア石塁からの展望

黒島山を左に見て進む

樹木のトンネルを進む

山頂台地の低木帯

砂に覆われる登山道

荒涼とした景観の中を進む

表砂漠の白い砂

表砂漠

ハマギクが咲いていた。

リンドウの花

関東100名山完登の山

 山頂でひとしきり展望を楽しんでから、北側の海に視界が開けた「天空の丘」へと移動、今度は、式根島、新島、利島、大島と続く伊豆諸島の眺めを楽しむ。この先に「新東京百景」に選ばれた場所があるが、天空の丘からの眺めの方が素晴らしい様に思った。
 不動池分岐から表砂漠へと戻り、荒涼とした天上山の山景色わ眺めながら一本立てる。今日はまだ他の登山者とは出会っていない。静かな山に佇みながら、天上山が関東百名山の100山目である事を思い出した。100山目に相応しい良い山で良かった。

表砂漠から天上山へ

山頂への最後の登り

天上山の山頂

天上山の山頂台地

天空の丘よりの眺め

島の景勝地を訪ねる。

天上山を下山後は、昨日高速船から下船した多幸湾へと向かい、海抜ゼロメートルから天上山を眺めてみる。海抜572mの山が、ひときは大きい。その後、夏には大勢の人で賑わう赤崎遊歩道を訪ねてから、神津島温泉で汗を流す。そして神津港へ戻り早々にレンタカーを返却。港近くの食堂で、金目鯛の漬丼を肴に、ビールで関東100山完登の祝杯を上げた。

多幸湾より天上山を見上げる。

案崎海岸の遊歩道

神津温泉の湯

金目の漬丼が美味しかった。

埠頭からの眺め

棚旅で帰京する。

3日目も天気が良く、風が穏やかになったお陰で、島からの出航港は多幸湾ではなく前浜の神津港からになった。大型船さるびあ丸は、定刻の10時30分に神津島を出航した。式根島、新島、利島、大島を経由して、横浜大桟橋、竹芝桟橋へと向かう。高速船とちがって、近距離とはいえ船旅の風情があった。大島本町港では、時間を急ぐ人のために、高速船と接続していた。
 横浜大桟橋には18時、竹芝桟橋には19時45の到着予定だという。館内放送で、東京行きの券でも横浜で下船出来る事を知り調べてみると、横浜で下船すると、近くの日本大通り駅から一本で自宅へ帰れることが判かり、急遽横浜で下船することにする。船を降りると、横浜から東京までナイトクルーズを楽しもうと大勢の人が乗船を待っている。竹芝での下船には随分と時間がかかるに違いなく、大桟橋で下船したのは正解の様だった。
 ライトアップされた大桟橋を潜り、大きくなる港町横浜のネオンサインの眺めが、神津島山旅の締めくくりとなった。こんな船旅の山旅を、またしてみたいものである。

帰路のさるびあ丸

船上よりの天上山

新島と式根島

大島本町港。高速船と接続している。

横浜ベイブリッチを潜る。