展望の良い山として、以前から登ってみたいと思っていた十石山を、漸く訪ねることが出来た。登山道は下草に笹が生えるカラマツの樹林帯を登っていく。九十九折の坂を登ること約1時間で、丸太の置かれた広場に出た。此処からは暫く平坦な道となり、順調に距離を稼ぐ。道は再びダケカンバの坂道となり、森林限界を越えると、背後に鉢盛山方面の山並みが見え始めた。花畑の斜面を登り切ると十石峠避難小屋に到着。小屋裏の山頂台地に上がると、笠ヶ岳・穂高岳等の北アルプスの山々が眼前に現れる。三角点は、小屋から数分乗鞍方面に行ったハイマツの中にあった。北アの入口に位置し展望の優れた十石山。何時までも佇んでいたい、頂きであった。
白骨温泉登山口6:10→丸太ベンチ6:55~7:05→東尾根2100m付近7:55~8:05→森林限界手前2350m付近8:45~55→十石峠避難小屋9:30→十石山9:35~10:00→十石峠避難小屋10:05→森林限界手前2350m付近10:25~35→東尾根2100m付近11:10~20→丸太ベンチ11:55~12:10→白骨温泉登山口12:40
林道脇の登山口より歩き始める
展望の良い山として、以前から登ってみたいと思っていた十石山を、漸く訪ねることが出来た。白骨温泉から、現在は崩落の為に通り抜け出来なくなっている上高地乗鞍スーパー林道に入り、少し登った処に無線局のアンテナがある。此処が十石山への登山口で、6時少し前に到着すると、既に1台車が泊まっていていた。装備を固め出発の準備をしていると、もう1台登山者の車が到着する。他に登山者がいることは、深い山では心強いものだ。この日も暑い日差しが予想され、何時もより御多めの水を持って歩き始めた。
破線ながらも笹の刈払いで明瞭な道を登る
登山道は、ナラ、ブナ等の広葉樹林帯の片斜面を進んでいく。道脇にはソバナやフシグロセンノソウ、ホタルブクロ等の花が咲いていて、楽しい道で始まった。平坦地のカラマツ林の中で、十石山への登路を左手に分けるT字路の標識が現れるが、直進してスーパー林道へ抜ける道は笹藪に覆われていた。標識を左に折れると、カラマツ林とクマザサの斜面の取付きになる。背は高くないものの結構濃い笹藪の斜面だったが、しっかりと刈込みがされており道は明瞭だった。
樹高が徐々に低くなる
九十九折の坂を登る事約1時間で、道は平坦になり丸太の置かれた広場に出た。笹を広く刈込んだ広場は、休むのに丁度良い場所だ。此処からは暫く平坦な道となり、ツガやシラビソの森を順調に進む。再び斜度が増して暫く登ると、徐々に樹高が低くなり、所々で登山道に日が差し込む様になった。
山頂からの大展望
森林限界に近づくと木々は疎らとなり、振返ると背後に鉢盛山方面の山並みが見え始めた。そして森林限界を越えると、クマザサに替わってハイマツが道脇に現れ、徳本峠や霞沢岳の辺りであろうか、北アルプスの山並みが眺望出来る様になった。高山植物の花畑の中、少しガレた斜面を登りきった処で左に曲がり、ハイマツを掻き分けると、十石峠避難小屋が直ぐ上に現れた。最後の斜面を登り、避難小屋の裏手に出ると、其処には大展望が広がった。山頂の三角点は、此処から左手に少し進んだところのハイマツの中にあったが、山頂台地からの展望は期待を裏切らない素晴らしいものだった。
先ずは穂高連峰の岩峰群。穂高の左奥には槍ヶ岳も姿を覗かせていた。そして笠ヶ岳から双六への山並み。小屋裏の広場からは、十石山の山頂越しに乗鞍岳の頂も望むことが出来る。まさに展望の山だ。見飽きることのない山景色を楽しむことが出来た十石山であった。
先ずは穂高連峰の岩峰群。穂高の左奥には槍ヶ岳も姿を覗かせていた。そして笠ヶ岳から双六への山並み。小屋裏の広場からは、十石山の山頂越しに乗鞍岳の頂も望むことが出来る。まさに展望の山だ。見飽きることのない山景色を楽しむことが出来た十石山であった。