守屋山は諏訪湖の南に位置する山で、そのポジショニングから中部山岳地帯の主な山々がパノラマの様に見渡せる、正に「山岳展望台」とでも言うべき山である。晴天率も高く、冬の時期でも好天に恵まれることが多い山だ。アプローチも比較的良く、国道162号線の杖突峠まで車で入れば、2時間程度で展望の頂に立つ事が出来る。年間を通して山岳パノナマを見たくなったらばすぐ出かけられる山。それが守屋山である。
杖突峠登山口6:35→避難小屋6:55→守屋山山頂7:25~8:10→避難小屋8:45→杖突峠登山口9:05
霜の降りる中を歩き始める
守屋山を訪ねたのは11月初旬、吹く風が冷たい冬の風になり始めた頃である。この時期は日の出の時間も遅く、中央自動車道を諏訪icで降りた頃には未だ薄暗く、国道152号線を杖突峠へ向かって登り始めた頃、日が昇り始めた。奥秩父の山々が、朝日を背後にシュルエット状になっているのが美しい。
登山口は国道のすぐ脇にあり、広めの駐車場も設けられていた。車を停め装備を固める。息が白くなる程の寒い朝だ。ホットコーヒーとサンドイッチの軽い朝食を済ませ、霜の降りた登山道を歩き始めた。
朝日を浴びながら稜線へ
オレンジ色の朝日が横から差し込んでいる樹林帯を進んでいくと、40分程で避難小屋のある場所に地到着した。辺りのカラマツ林の木々は既に葉を落としており、森の中は明るい。道は此処で90度左に折れ、守屋山へと続くなだらかな稜線を登る様になった。急な斜面もなく、登山道はしっかりしていて歩き易い。奥社の建つ東峰辺りまで登っていくと、次第に視界が広がり始めた。諏訪湖越しには八ヶ岳、正面には山頂である西峰、遠くに中央アルプスから南アルプスまで、見える様になって来た。
大展望の山頂
東峰から僅かに下り、再び登り返した頂が守屋山西峰の山頂だ。東峰から西峰までは15分程度で到着する。山頂周辺は草原状になっていて、高い木々は無い。周囲360度の大展望が広がっていた。雪を纏った北アルプス。壁の様に続く中央アルプス。靄に霞ながら美しいシュルエットの南アルプス。八ヶ岳から奥秩父に至る山並。何時までも山座同定を楽しんでいたくなる頂、それが守屋山であった。