志賀高原と言うと、高原の最高峰である岩菅山や、志賀山から四十八池周辺、或いは横手山や笠ヶ岳が思い浮かぶが、焼額山も静かで良い山である。特に山頂にあって、静に山景色を湖面に落とす稚児池は、是非とも訪ねたい場所である。
焼額山は、その斜面にスキー場が開発され、登山道もゲレンデを辿る単調な部分も多いのが残念ではあるが、静かな山頂池の風景は、それを補って余りある様に思う。また山頂付近までゴンドラが架かっている事から、期間は限定されるが手軽に楽しめる良さもある山だ。
一の瀬駐車場7:30→登山口7:40→焼額山山頂8:45~9:10→登山口9:50→一の瀬駐車場10:00
一の瀬より歩き始める
夏山季節の志賀高原は比較的静かなのだが、訪ねた日は丁度麓でイベントが開催されるとの事で、早朝から焼額へ向かう道には車が行列していた。そこで近くの一の瀬ゲレンデの下部にある駐車場に車を停め、ここから歩き始める事にする。車の行列の横をすり抜けて歩く事約10分で、焼額山の登山口に到着。此処から漸く登山道になる。
ゲレンデを継いで登る登山道
登山道は、笹を下草とするシラカバやカラマツの樹林帯の中を登っていく。笹は良く刈り払われていて歩き易い道が続いたが、登山道は直ぐゲレンデの草原に出た。焼額山は山頂近くまでゲレンデが開発されている為、樹林帯の中を歩くよりゲレンデを横断しながら歩く個所の法が多いぐらいだ。ゲレンデは単調で歩く面白さには欠けたが、振り返ると一の瀬から東舘山にかけてのロッジが遠望でき、また志賀から白根への山並も展望する事が出来た。
静寂の稚児池
歩き始めて1時間程で、ロープウエイの山頂駅が見えてきた。ロープウエイの営業は9時からの為、未だ他に誰も登って来てはいない。オオシラビソの樹林帯に入ると、登山道は木道となる。木道を進むと、突然輝く水面の稚児池が現れた。この日は風もなく池は静寂そのもの。周囲のシラビソの木々を把水面に写すシンメトリーな風景は、実に印象的な光景だった。木道は池の周りを一周しており、展望の開けた処からは、残雪を纏った頚城山塊が遠望出来る。静かな朝の稚児池。その畔での贅沢な時間を過すことが出来た焼額山であった。