山寄①湯巡4、垂玉温泉 of LittleTrekker

山口旅館　(2016年熊本地震より休業中)

　阿蘇山に近づくと、烏帽子岳の中腹から噴煙が二か所から上がっているのが見える。じつはこれ噴煙ではなく温泉の湯煙。垂玉温泉と地獄温泉がその発生源で、何れも趣のある山中の一軒宿だ。北原白秋や与謝野鉄幹などの文人も逗留したこの旅館、設備も御湯も申し分無い。特に道路を挟んだ所にある「滝の露天風呂」は、茶色く染まった岩に囲まれ、滝を眺めながら湯浴みが出来る、極楽の場所だった。
　焼筍に始まる食事もなかなか趣があり、また訪ねたいと思っていたら熊本地震が発生。阿蘇山の土砂崩れで、現在旅館は休業中。一日も早い再開を願って止まない。

宿泊　2015年3月

泉質	単純硫黄泉
湯量等	40ℓ／分、59.6度、自家源泉、源泉かけ流し、
浴槽	内湯　2 露天　2

鹿児島県日置市吹上町湯之浦910　　　tel:099-296-2020

滝を眺めながらの仙境での湯浴み

　この宿に逗留した斎藤茂吉や吉田玄次郎の歌碑が立つ門をくぐると、綺麗な庭の向こうに穏やかなみどり池が見えてくる。池沿いの傾斜地に部屋が点在しているが、どの部屋からも穏やかな池が望める。小道を奥へ進んだところにあるのが大浴場。そしてその先の池の畔に、男女別の露天風呂があった。ここの御湯はとろっとした感じで、実に気持ちよく肌の上を流れる。心休まる湯浴みは実に気分が良い。
　食事も初回は平日で人数が少なかったからか部屋食で、一品づつ運ばれてきた。二回目に泊まったのは土曜日だったからだろう、奥手にある食事処で供された。ミニステーキの他、「きびなご」や黒豚のしゃぶしゃぶ、薩摩揚げと、鹿児島らしい料理が続く。土瓶で温めた焼酎のお湯割りを頂きながら、美味しく頂くことが出来た。
　