小谷温泉 山田旅館
新潟県と長野県の県境、小谷から妙高へ向かう県道をかなり入った処に、小谷温泉・山田旅館がある。この宿は江戸時代に建てられた本館や、大正時代に建てられた建物等の6棟が、国の登録有形文化財に指定されている風情のある宿だ。御湯がまた素晴らしく濃い温泉で、内風呂には湯の成分が何層にも固まった湯垢の柱が置かれていた。今も湯船に滝の様に落ちる御湯の滴が壁沿いに落ち、湯垢の柱が鍾乳石の様な太さになっていた。内風呂の他、建物から張り出した屋根付きの展望風呂も、景色を楽しみながらの湯浴みが出来る心地よい場所だった。
宿泊 2018年7月、2019年4月、2022年10月
泉質
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ナトリウム炭酸水素塩泉
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湯量等
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150ℓ/分、47度、自家源泉、源泉かけ流し、
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浴槽
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内湯 4
露天 2
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住所 長野県北安曇郡小谷村中土18836 tel:0261-85-1221
歴史を刻む宿の濃いお湯に浸かる
小谷温泉に着くと、先ずは歴史ある重厚な建物が迎えてくれる。本館は江戸時代の建築で、飴色をした柱や壁は温もりがかんじられる。内湯のある建物は大正時代の建物だそうだ。男女別の内湯の浴室に入ると、ラドンを含む重曹泉が滝になって流れ込んでいた。流れの奥には、温泉成分の滴が落ち、まるで鍾乳洞の柱の様に、湯の成分が固まって柱になっている。湯舟の脇には、25年物と書かれた直径30センチ程の湯垢の柱が置かれ、湯舟の淵にも湯垢が堆積した塊があった。湯の成分が、とてつもなく濃いのだろう。訪ねた日は金山で約8時間歩いたきたが、山田旅館に泊まった翌日は足の痛みが全然出なかった。湯舟は別館に檜風呂と展望風呂がある。特に櫓が組まれ屋根のついた展望風呂は、風を心地よく感じながら景色も楽しめ、とても気分よく湯浴みをすることが出来た。
山田旅館は空調が無く、部屋には扇風機が置かれているだけだ。暑い夏はどうかなとも思ったが、泊まった日は埼玉で40度の猛暑を記録した日だったものの、標高900mにある建物は風が良く抜け、夕方以降は涼しく感じる位だつた。昔の日本の夏の暑さといった感じだろう。食事はオーソドツクスな「昭和の温泉宿の食事」といった処で、悪くはないのだが嗜好を凝らした宿の食事に慣れていると、少し残念な感じがするだろう。ただ湯は素晴らしく、御湯に入りに行く為に訪れる価値のある宿だと思った。
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