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 長い歳月を生き続けてきた桜には、独特の風格があります。日本三大桜にも数えられる「三春の滝桜」を中心に、南東北の桜回廊には見応えのある桜が集まっています。滝桜の子桜や孫桜が多いせいか、三春周辺には垂れ桜の古木が多い様に感じました。古木の生命力を受け継いでいるのでしょう。ベニシダレ桜、エドヒガン桜、山桜が共演している様は実に見事です。2010年の春に身延山に始まった花旅は、4月に南福島で出会った桜に魅せられて、桜を追いかける旅となりました。

2010年3月24日 久遠寺 (身延)

 身延の篠井山に登った下山後、久遠寺の枝垂れ桜を見に行く。この時期、一般車両は身延の町に設けられた駐車場に車を停めて、ここから参道下までバスで往復する事になる。バスを下りて賑わう参道を歩き山門を潜ると、久遠寺へつ続く石の階段が待っていた。段差の高い石の階段を登ったが、今日の山より疲れた気がした。
 石段を登り切り本堂へ入ると、沢山の枝垂れ桜が迎えてくれる。見頃はやや過ぎた樹もあったが、満開のしだれ桜は見応えがあった。雨が降り出したこともあり、早々に帰る事にする。下山は本堂脇のケーブルカーで宿坊地へ下り、風情のある寺町を抜け参道へと向かった。
 久遠寺の枝垂れ桜は例年3月末から4月上旬が見頃との事であるが、今年は春の訪れが早く、例年より1週間程度花期が早かった様だ。

久遠寺の石段

久遠寺の五重塘

久遠寺の枝垂桜

久遠寺枝垂桜

久遠寺の枝垂桜

2010年4月18日 三春滝桜(福島)

 日本三大桜と言えば、根尾の薄墨桜、山梨の神代桜、そして三春の滝桜なのだそうだが、今回はその一つ滝桜を見てから東北の山に登る事にした。
 朝3時過ぎに東京の自宅を出発し6時半頃に三春へ到着。滝桜の周辺は朝早くから交通規制がしかれていたが、大駐車場に思ったほど車が停まっていない。辺りには数日前に降った雪が残っていて、車を降りるとひんやりとした空気が辺りを包んでいる。桜見学券を購入しゲートを通過、車道の下を潜るトンネルを抜けると、桜へ向かって幅広い舗装道路が延びていた。まるで大寺の参道の様だ。出店も出ていて、滝桜の人気の程が伺える。駐車場から5分程で桜へ到着したが、残念なことに桜は未だ蕾状態。先週の寒波と雪で、開花がストップした様であった。
 三春の滝桜は例年4月10日~15日頃が見頃との事であるが、今年は4月の寒波のせいで、2週間ほど花期が早遅くなった様だ。

雪の中の滝桜

雪の中の滝桜

満開の滝桜

朝日を受ける滝桜

滝桜を見上げる

 2010年4月25日 三春滝桜、地蔵桜、福聚寺垂れ桜、高田桜

 二週連続で三春へ滝桜を見に行く。先週は季節外れの寒波で冠雪状態だった滝桜も、今日は丁度満開。天気も良く、朝早くから大勢のギャラリーが集まっていた。樹齢1000年を越える枝垂れ桜は迫力満点だ。生命力が余程強いに違いない。桜は実しょうで広がっていくのだが、滝桜の周辺には、その子桜や孫桜だと思われる枝垂れ桜が沢山ある。みな滝桜の生命力を受け継いでいるのか、立派な古木になっていた。その中の一つ樹齢400年の紅枝垂地蔵桜を訪ねたが、こちらは八分咲きで、もう数日経つと満開といった感じだった。
 福聚寺垂れ桜に立ち寄った後、磐城石川の高田桜を訪ねる。こちらは南斜面にあるせいか花が終り加減であった。樹勢が少し衰えている感じがしたが、立派な幹が強く印象に残った桜だった。
 紅枝垂れ地蔵桜の例年の見頃は4月20日~25日頃、福聚寺垂れ桜は4月10日~15日頃、石川の高田桜は4月10日~15日頃だそうだ。

紅枝垂地蔵桜

紅枝垂地蔵桜

福聚寺の桜

福聚寺の桜

高田桜

2010年4月26日 天神夫婦桜、塩ノ野の大桜、種蒔桜、合戦場の枝垂れ桜、石部桜

 二日続けて天気が良い、昨日は三春から南下して桜を辿ったが、今日は桜を辿って北上し阿武隈山地の鎌田岳に登山、下山後は会津に走ってもう一本、桜を訪ねる事にする。
 夫婦天神桜は江戸彼岸桜と枝垂れ桜が一組みになっている桜で、違う樹形をした桜が重なって咲いている様子は何とも面白い。場所は三春駒を製造しているデコ屋敷のそばであったが、朝早かったせいか花を見に来ている人は他にいなかった。次に訪ねたのが塩の崎の大桜で、幹回り7.2mの大桜は風格があった。高台の畑に一本植わっているせいか、遠くからでも良く見える。ここは写真を取りに来ている人が結構多かった。3つ目の桜として合戦場の桜を目指したのだが、その途中で気になる桜の木を見つけた。小高い森を背景にして、紅と白の桜が二本並んで生えている。予定には無かったが近くに車を停めて傍まで行ってみると、種蒔桜の看板が立っていた。午前中最後に訪ねたのが、二本松市にある合戦場の枝垂れ桜だ。この桜、良く見ると2本の桜の木が寄り添うように育っていて、遠目には一本の大きな桜の様に見えていた。ここは有名な桜らしく出店も出ていて、写真目当ての人の他、観光バスで訪れる人も来ていた。
 三春から田村、二本松周辺の桜を堪能してから、阿武隈の鎌倉岳に登る。低山ながら、変化に富んだルートで、山頂直下には先日降った雪が残っており、如何にも春の山といった感じのトレイルを楽しんだ。下山後は高速を使って会津へ走り、石部桜を訪ねる。石部桜は田んぼの真ん中に植わっている桜で、根元から8本の幹に分かれているお陰で、横に広がった面白い形をしていた。
 夫婦天神桜は例年4月10日~15日頃、塩ノ崎の大桜は4月中旬~下旬、合戦場の枝垂れ桜は4月20日~25日頃、石部桜は4月10日~15日が見頃の様だ。ただ今年は4月初旬の寒波のせいで、4月上旬の桜と下旬の桜が、20日過ぎにいっぺんに満開時期を迎えた様であった。

天神夫婦桜

塩の埼の大桜

種まき桜

合戦上の枝垂桜

石部桜

 2010年5月1日 石割桜(盛岡)

 五月の連休は東北北部の山を楽しんできたが、その手始めに盛岡市内にある石割桜を訪ねる。前日の夜8時に東京を出発、常磐道経由で東北道を北上、花巻のPAで仮眠をとる。盛岡icで高速を下り、先ず向かったのが盛岡の中心部にある石割桜だ。大きな石の間から桜が生えている。石の割れ目に落ちた桜の種が根を生やし、成長とともに石の割目を大きくしながら育っている様からは、生命力の強さを感じずにはおれなかった。
 この日は盛岡から七時雨山、安家森の登山口へ行ったが、強風と雨の為に登山を断念。十和田市の美術館に立ち寄ってから、陸奥市へ移動、2日目に下北半島の縫石堂山と風越烏帽子に、3日目に兜明神岳に登った。

石割桜

石割桜

腰代の桜

腰代の桜

葉桜となった千歳桜

2010年5月9日 越代の山桜(福島)

 2010年の桜の見納めに、五月初旬に越代の山桜を訪ねる。樹齢450年の山桜の巨木は、艶やかな幹であった。数日前に満開を迎えた様で、訪ねた日は花吹雪が周囲を舞っていた。越代の桜からは猪苗代へ移動して、安積山に登る。風が少し強かったが、展望にはうってつけで、360度視界の開ける山頂から、南東北の山が一望出来る。下山後に、会津若松市の西にある千歳桜を訪ねたが、桜の花は枝の先の方に少し残る程度で、残念ながら葉桜になっていた。

 3月下旬から約1カ月近く、関東から南東北の桜を追いかける山旅に出かけたが、来年はもっと計画的に山行と結び付けて花を追いかけてみたいと思う。岐阜の根尾の薄墨桜も是非訪ねてみたいなあ。