2011年の花旅は、根尾の淡墨桜ではじまりました。何度か訪ねたことがあるのですが、何時も花の時期とずれてしまっていました。今回はようやく、満開の桜と対面する事が出来ました。淡墨桜の後は、琵琶湖の北岸にある高島桜、そして城とのコンビネーションが見事な彦根城の桜を訪ねます。
そして五月は、さくらの古木が集中している山形県南部の「置賜さくら回廊」へ。置賜地方も一本桜の古木が集中している地域で、三春を中心とした福島とはまた違った趣がありました。
2011年の春、新たな花旅の旅日記です。
2011年4月19・20日 淡墨桜、高島桜、彦根城
岐阜高富にある墓参りに行く事になったが、時あたかも4月。岐阜にある、かねてから一度見てみたいと思っていた根尾の淡墨桜わ訪ねる事にした。混雑を予測して根尾には早朝に車で入ったが、3月の東日本大震災以降の出控えを反映してか、人が少ない。樽見への道も混雑した感じがしなかったし、駐車場も余裕があった。普段だったらとても混雑して、車で根尾まで入ることが難しかったかもしれない。
心配された天気も回復して、朝日が差し込む時間には、青空も出てきた。淡墨桜は確かに薄紅色をした白色の花弁が特徴だが、朝日を浴びた一瞬は黄金色に輝いて見えたのが印象的だった。
岐阜で墓参と挨拶を済ませた午後は滋賀県へ向かい、琵琶湖北岸の高島桜を見る。折悪く小雨がちらつく天気だったが、天気が良ければ船に乗って湖側から桜を見る事が出来たら良かった。最後に長浜城の桜と彦根城の桜も見てゆくことにする。
2011年5月3日(1) 伊佐沢の久保桜、最上川堤防桜
五月の連休を利用して、山形の桜を見に行くことにする。山形の置賜地方には桜の古木がたくさん残っていて、「置賜さくら回廊」あるいは「古典さくらの里」などとも言われている。例年四月の後半が見頃なのだが、今年は雪が多く例年より1週間ほど開花が遅かった様で、五月連休が見頃の時期と重なった。峠を走っていると、遠く白銀の朝日連峰をバックに満開の桜が迎えてくれた。
最初に訪ねたのが伊佐沢の久保桜で、樹齢は1200年。早朝から沢山の人が桜を見に来ていた。満開まであと僅かといったところだが、風格ある枝一杯に花を咲かせていた。次の一本桜へ行く途中で見たのが最上川堤防の桜。古木ではないが堤に植えられた桜は見事だ。
2011年5月3日(2) 殿入桜、薬師桜、釜の越桜、白兎の枝垂桜
次に向かったのが「殿入桜」。米沢藩主上杉斉定が立寄ったとあったが、それで殿入の名が付いたのだうか。樹齢680年の古木で、木と向かい合う小さな谷地は花見会場の適地の様だ。
ここから最上川を渡り返し着いたのが「薬師桜」。小さな薬師堂の前にあるエドヒガンで、高さは10mと大きくは無いが樹齢1200年というだけあって風格がある。樹姿は桜の盆栽とでも言う様な姿をしていた。この薬師桜のすぐ近くにあるのが「釜の越桜」樹齢は800年だそうだ。雪をいただいた朝日連峰をバックにした姿は、いかにも雪国の桜といった感じだ。背後に紅色をした桜が花をつけていたが、これは釜の越桜の子供で樹齢は80年だ。
釜の越桜から南へ少し行った処にあるのが「白兎の枝垂桜」。こちらは7分咲きといったところで、見頃までもう一息といった感じだつた。
2011年5月3日(3) 草岡の大明神桜、十二桜、奨学桜、子守堂の桜、赤坂の桜
次に訪ねたのが草岡の大明神桜。樹齢は1200年で、人里に植えられた単独の桜としては国内最大級の大きさである事を記した看板が建っていたが、桜の花の時期にはもう少しの様であった。此処から再び北上しながら見て回ったのが「十二の桜」、「奨学桜」、「子守堂の桜」、「赤坂の桜」。どの桜の古木も風情がある樹だった。全体に見頃まであと僅かといったところが多かった。桜の見ごろは本当に難しい。どの樹も満開の時期はそれは見事なものだろう。機会を見つけて、再度桜の時期に訪ねたい置賜のさくら回廊であった。