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 2017年の紅葉紀行は9月の札幌岳・無為根岳で始まりました。頂上から見下ろした、緑の笹原に浮かぶ紅葉の島が見事でした。宮城の紅葉旅は天気に恵まれませんでしたが、虎毛山では秋から冬へと向かう山の変化を、久住の黒岳では晩秋の紅葉を楽しむことが出来ました。


2017年9月23日 札幌岳(北海道)

 9月の北海道の山旅は、2017年初めての紅葉の山旅となった。豊平峡からの登山道は良く整備されていて、登山口から暫くは平坦な道がしばらく続く。沢を渡り返しながら、気分の良い自然林の中を歩いていくと、次第に葉の色を変えた木々が目立つようになってきた。今年初めて感じた秋の山だ。登山口から約2時間、冷水小屋に到着した。冷水小屋から先は、登山道の傾斜が一気にきつくなった。まるでギアチェンジした様な感じで、高度を稼いでいく。紅葉がきれいなにり始めたなと思ったら、雨が降り始めた。天気予報では午後3時頃からは雨となっていたが、まだ午前中。「少し早い降りはじめだな。」と思いつつも先を急ぐ。雨は降ったり止んだりで、その度に傘を出したりしまったりの歩きになった。小屋から約40分ほど登った処で、平坦な場所に到着する。木々の色付きは増し、天気が良ければ紅葉狩りの山旅なのだが、辺りは霧が立ち込め水墨画の様な幽玄の風景。「霧を纏った紅葉」の中を進んでいくと、道は次第に石ころの道となり、辺りの木々の高さが低くなってきたと思った頃、山頂に到着した。辺りは霧が立ち込めていて、山頂での展望を得る事が出来なかったのが残念であったが、今年初めての紅葉に秋を実感する事が出来た札幌岳の山旅である。

札幌岳山頂

2017年9月24日 無為根山(北海道)

 定山渓温泉で湯浴みをした翌日は、温泉近郊の無為根山を目指すことにした。天気も良く、絶好の紅葉日和になりそうだった。北側斜面からの山頂へ向かう登山道を歩いていくと、高度を上げるにつれて、葉が色づいた木々が次第に多くなってきた。真っ黄色な葉っぱのトンルネや、オレンジ色と緑色がグラデーションになった紅葉を楽しみながら、どんどん距離を稼ぐ。歩き始めてから1時間を過ぎた頃から、次第に登山道の傾斜が緩くなる処が多くなり、笹原が目立つ様にもなってきた。登山地図では「千尺高地」と記されている辺りかと思うが、目立った標識は無い。歩き始めて1時間20分、 無意根山3.7kmの標識がある「休息広場」に到着する。「休息広場」の辺りから先は、笹原の中、道の真ん中が樋状になっている湿った登山道を進む様になる。笹が刈られている御陰で、特に進みにくい場所は無かった。幅の狭い稜線上の個所を抜けると、程無く無為根小屋の建つ宝来沢側から突き上げてきた登山道との合流点「元山分岐」に到着。紅葉が奇麗な山頂部分が望める様になった。
 此処から無意根山の山頂までは、明るい紅葉の木々をぬっての楽しい登りだ。傾斜が緩くなり山頂付近の平坦な道になると、石の祠が建ち「無為根山最高地点」の標識がある小広場に出るが、三角点のある場所は此処から250m程先である。道の両側がハイ松となり、展望が開けてくると、やおら無意根山の山頂に到着した。青空が広がり始め、吹く風も気持ち良い。この山頂は羊蹄山の展望台でもあるのだが、西側の羊蹄方面は雲に覆われその姿を見る事が出来なかった。東側・北側は青空が広がる処が多く、常緑樹や笹の緑と、真っ赤や黄色の紅葉のコントラストが美しい風景が広がっていた。

無為根山山頂

2017年10月21日 蔵王エコーライン・不忘閣(宮城)

 2017年のメインの紅葉旅で蔵王のエコーラインを訪ねようと思っていたが、生憎の雨。不動の滝を訪ねてから早々に、宿泊地である青根温泉の不忘閣へと向かう。不忘閣の庭には、再建された伊達の殿様の別荘だった青根御殿もあり、秋雨の紅葉の庭には趣があった。 

青根御殿

不忘閣にて

伊達正宗像

2017年10月28日 虎毛山(秋田)

 2017年の秋の休日は、どうも天候に恵まれない。10月に季節外れの台風が続けて来た御陰で、紅葉山行の予定が随分流れてしまった。東北の山の紅葉を愛でるなら今週が最後かなと思い、以前から登りたかった虎毛山を目指すことにした。車を停めた場所から林道を歩くこと10分少々で登山口を通過、赤倉沢沿いの平坦な道を歩くこと30分程度で沢の徒渡点に到着した。此処からは尾根登りが始まる。結構急な登りなのだが、奇麗な紅葉を追いかけながら登っていたせいか、時間が短く感じられる。途中15分おき程度にベンチと標識が置かれていているのがいい感じだ。桧林の広場で一回小休止したが、1時間少々で高松山から続く稜線の分岐点に到着した。分岐点からは尾根筋を進む事になるが、生憎ガスが稜線を覆い、冬枯れの斜面が見え隠れする様は、水墨画を見ている様でもあった。山頂の避難小屋の裏には草紅葉の湿原地帯が広がっている筈なのだが...、霧に覆われ展望は無い。霧が晴れていれば天上の楽園と、池塘に映る栗駒が見えるという虎毛山の山頂。今度は湿原に花が咲く時期にもう一度再訪してみたいと思った虎毛山であった。 

水墨画の様な斜面

2017年11月11日 黒岳(九州)

 黒岳は九重山群の東に位置し、名水と深い森が特徴の山だ。この黒岳の最高点「高塚山」に、名水の湧く男池から登ることにした。池から暫くは男池園地の遊歩道を進んでいくが、ケヤキやブナ・コナラ等の樹林帯は紅葉が終りかけで、落ち葉に覆われ遊歩道の場所は解りずらい。所々にある植物名を記した看板を目印にしながら、注意深く進む。平坦だった道も「かくし水」の水場を過ぎた辺りからは傾斜が増し、大きな石を越えながら高度を上げ始めた。この辺りからは樹木につけられた赤テープを辿りながらの歩行となったが、木々は葉を落としていている木も多く、ソババッケの広場からのセリグチ谷の登りでは、冬枯れに向かう木々中の道だった。晩秋の山景色を見ることが出来た黒岳であった。 

2017年11月25日 天竺山(奥多摩)

 カタクリ会の忘年山行の下見で、武蔵五日市の天竺山を訪ねた。三内神社の社務所の処で五日市線の踏切を渡り、神社の参道を登っていく。木々の間から紅葉に彩られた武蔵五日市の街並みを見下ろせる様になると程なく、天竺山の山頂に到着した。山頂からは作業道を辿り横入沢へと下る。かつて住宅建設地として確保された土地が、バブル崩壊後に田園景観保護地となったのが横入沢で、中央湿地には田圃があり、その周囲を低い山が囲んでいる御蔭で、此処だけが別天地の様になっていた。其処には、懐かしい秋の田園風景が広がっていた。横入沢からは石仏の道を辿り大悲願時を経由して武蔵五日市の駅へと戻った。