2018年の桜旅は、島根の三隅大平桜をはじめとした、中国地方の桜旅に始まりました。例年であれば5分咲き程度の時期に訪ねた三隅大平桜は満開で、桜の花に包まれた巨木は実に見事でした。ただ今年は例年より桜の開花が10日から2週間早く、思った通りの桜旅ができなかったのが残念です。
そんな中、山梨の山高神代桜から、長野・安曇野の桜をめぐる旅や、北舘桜を始めとした南岩手での桜旅を楽しむことが出来ました。
(写真は、島根の三隅太平桜)
2018年4月1日 三隅太平桜(島根)
2018年の桜は、中国地方の桜で始まりました。羽田から山口宇部空港へ飛び、初日に青野山へ行く途中、国道9号線沿いに大勢桜見物の人で賑わっている場所を見つけました。徳佐八幡宮の参道で、青野山から萩へ向かう途中で車を停め、さっそく観桜に。両側に桜の木が並ぶ参道を歩く事が出来ました。萩城の桜も満開で、石垣と桜のマッチングは実に絵になる光景でした。
翌日の早朝、まだ暗いうちに萩のホテルを出発し、一路東へ車を走らせます。三隅大平桜は石見西部広域農道から少し入った処にありますが、かなり手前から桜を示す標識が現れ、広域農道からのアプローチ道路には沢山の駐車場が整備されていました。ただ時間が7時前という事もあり人影は疎らで、お陰で充分桜を堪能することが出来ました。ヒガン桜とヤマザクラの交雑種と記されていましたが、巨体に薄紅色の花を一杯咲かせる姿は圧巻でした。
2018年4月7日 山高神代桜と甲斐周辺の桜
日本三大桜というと、三春の滝桜、根尾の薄墨桜、山高神代桜を言う様ですが、この中で未だ見ていない山高神代桜を4月上旬に訪ねました。桜は実相寺という日蓮宗のお寺の中にあり、樹齢2000年と言われる日本一の桜の古木です。以前は樹幹を保護するために屋根が掛けられていましたが、現在は屋根は撤去され、古木は青空を背景として目一杯花を付けていました。2000年を越える桜の幹は迫力を感じます。訪ねた時には満開を過ぎていて、弱い風にも花びらを散らしていて、あと数日で葉桜になりそう。ぎりぎりで間に合いました。
山高神代桜の後、韮崎の「ワニ塚の桜」を訪ねましたが既に葉桜。再度神代桜まで戻り、その近くにある「真原桜並木」を訪ねます。牧草地の道路脇750mにわたって続くソメイヨシノの桜並木で、桜吹雪の中をゆったりと散策する事が出来ました。それから小淵沢の大糸桜、諏訪の貞松院の桜と桜巡りを楽しみました。
2018年4月8日 安曇野の桜
未だ雪の残る新穂高温泉の槍見館で湯浴みを楽しんだ翌日、安曇野地方の桜を訪ねました。梓川北条の枝垂桜、リンゴ畑の枝垂桜、南小倉の枝垂桜、田多井観音の桜、堀金三田の枝垂桜、木村の大枝垂桜と桜巡りをしましたが、何れも墓守桜で、墓地を傍らに植えられた桜が一本桜として大切にされている様でした。枝垂桜が多かったのですが、満開であっても華やかさというよりひっそりと咲いているように感じたのは、墓守桜というからだけでは無く、種の性格ではないかと思うがどうでしょうか。
安曇野で最後に訪ねたのが、光城山の桜です。遠くからも、山の斜面を桜花が筋となって駆け登っているのが良く判ります。麓の駐車場に車を停めて20分弱登りましたが、桜の花の下につけられた登山道はまだまだ続きます。時間の制約から途中で引き返したのが残念ですが、いつかまた桜の登山道を頂上まで登ってみたいものです。
2018年4月21日 南岩手の桜
東北道を宮城から岩手に向かって走るとき、何時も気になっていた道路脇の巨木があります。その巨木、実は北舘桜と呼ばれる桜の巨木で、その北舘桜と周辺の桜を見に4月の南岩手を訪ねました。
最初に訪ねたのが水沢駅近くの大安寺の桜です。大安寺は高野長英の菩提寺にもなっていて、長英の御堂も設けられててますが、その傍らに生えている桜の巨木が「大安寺の桜」です。桜はちょうど満開で見頃を迎えていました。
大安寺から近くの水沢公園の桜に立ち寄り、次が今回の旅の目的地である北舘桜です。桜は、平泉北西部で東北道が緩やかに蛇行して走る、その直ぐ傍らに目いっぱいの花を付けて立っていました。この場所は縄文時代からの遺跡がある場所で、平安時代は東北の有力豪族であった阿部氏の館があった場所でもあります。桜があるのはこの遺跡の最頂部で、1300年頃に南蘇坊という僧が植えたものと伝えられていて、太古の昔から人の生活と共にあった桜の樹だと思うと、感慨もひとしおでした。