2019年1月20日 飫肥、 2019年1月27日 土肥
城巡りの旅で訪ねた宮崎の飫肥城。その城郭の中で今年初めての桜の花と出会った。飫肥城の寒桜は毎年1月中頃から花を付けるというが、訪ねた日は丁度花が開きかけたところで、色も濃く綺麗な花と出会うことが出来た。
次に出会ったのが西伊豆の土肥桜。伊豆の寒桜では河津桜が有名だが、伊豆で一番早く花を付けるのは土肥桜である。丸山スポーツ公園、土肥金山、土肥神社の土肥桜を訪ねたが、どの木も色が濃いい花が丁度開花した頃で、綺麗な桜の花と街のいたる処で出会うことが出来た。
2019年3月30日、31日 仁淀・ひょうたん桜
高知県の仁淀川町は清流で有名な処であるが、この町は花の街でもある。高知市から国道33号線を走り仁淀に入ると、先ず出迎えてくれるのが花桃の花だ。山の斜面にある集落に花桃が植えられていて、白と紅色の花が目を引く。
ひょうたん桜は樹齢500年の桜の古木で、その枝ぶりは何とも味わいのあるものだった。初日が生憎の雨で、翌朝に青空を期待して再訪するも、雲の多い今一つの天気だったのが残念だ。今回は五段高原まで行くために立ち寄ったのは「ひょうたん桜」だけだが、仁淀には他にも桜の名所や、山桃が咲き乱れ桃源郷の様な集落もある。また何時か再訪したいと思った、仁淀の山里である。
2019年4月6日 山梨の桜
3月末から涼しかった気温が、数日前から初夏の様な陽気になり、桜の開花も一気に進んだ。このままだと4月後半に予定している花見の前に、桜の見頃が過ぎてしまいそうで急遽山梨の桜旅を計画した。4時に出発して最初に向かったのが、韮崎の実相寺にある「山高神代桜」だ。昨年は散り際だったが今年は丁度満開になった処で、花の色が濃く感じる。菜の花畑と実相寺の桜越しの、南アルプスの峰が印象的だ。
次に訪ねたのが「ワニ塚の桜」。昨年は訪ねたのが少し遅く緑の葉が芽吹いていたが、今年は満開の桜に出合えた。見晴らしの良い畑に立つ一本桜で、実に堂々としている。この後は塩山方面に移動し、「乙ヶ妻の枝垂桜」を訪ねる。高台の見晴らしの良いところにある一本桜だ。この桜は最近有名になって来たらしく、この日も結構大勢の花見客が来ていた。この日の最後は「慈雲寺の糸桜」。寺の庭にある枝垂桜で、毛氈の敷かれた御茶席で、抹茶と干菓子を頂きながら桜をめでることが出来た。殆どの人は桜を眺めるとすぐ帰っていくが、一杯300円のお茶で贅沢な時間を過ごさないとは勿体ない限りだ。この日は山梨の1本桜を4箇所巡ることが出来た。天気も良く、良い桜巡りが出来た。
2019年4月13 桜川の山桜
茨城県の高峰山がある桜川地区は、「西の吉野・東の桜川」と言われるほどの桜の名所である。平安時代に紀貫之が歌に詠んだほどで、山には沢山の山桜が自生していた。吉野は秀吉の時代に花見のために植えられた桜が多いのに対して、桜川の山桜は自生の山桜がほとんどで、色合いや枝ぶりも多様なのが面白い。桜川の桜は江戸時代に隅田川や皇居、上野の山などに植えられた桜で、伐採されソメイヨシノに植え替えられる前までは、江戸の花見の桜も桜川から運ばれた山桜が中心だったという。
訪ねた日は高峰に登り下山路に桜の自生する道を下ったが、時折視界が開けた時に現れる山桜の咲く山肌が見事であった。
2019年4月14日 奈良宇陀の桜
奈良県の宇陀の桜は、京都や奈良公園の桜より少し遅くに咲く。以前に又兵衛桜を訪ねた時には、未だ蕾で、桜の花を楽しむ事が出来なかった。今回はタイミングに恵まれ、漸く宇陀の桜を愛でることが出来た。
最初に訪ねたのが樹齢300年の又兵衛桜。高さ13m幹周り3mの見事な枝垂桜で、奈良を代表する一本桜だ。次に訪ねたのが仏隆寺の千年桜。樹齢900年で奈良では最古の桜として天然記念物にも指定されている。山桜とエドヒガンの亜種で珍しいものだという。仏隆寺からは峠を越えて室生寺へ。此処を訪ねるのは2度目だが桜の季節は初めてだ。本堂と檜皮葺の五重塔が望める場所の桜が綺麗であった。そしてこの日の最後騎は西光寺の山桜。天に広がる翼のような枝ぶりが見事であった。
2019年4月20日 福島の桜➀
2019年の4月の第2週は冬が逆戻りした様な気候になったおかげで、例年より桜の花の日持ちが長い。20日に福島の一本桜を巡ったが、天気にも恵まれて青空をバックにした満開の桜を楽しむことができた。
2時過ぎに東京を出発し、東北道を二本松で降りて最初ら向かったのが「茶園の桜」。住宅裏の土手に立っていたが、なかなかの大桜だ。朝日に浴びて桜の花がオレンジ色に輝いていた。次に向かったのが「芳水の桜」。水田に映る姿が綺麗だが、まだ日の光が低く山蔭になっていたのが残念だ。この日3本目が「小長井の駒桜」。今日一番の大木だ。福島には長命の桜多いが、枝垂れ桜は滝桜がマザーツリーになっているのに対して、江戸彼岸のマザーツリーは「駒桜」かもしれない。次に合戦場の桜へ異動の途中で立ち寄ったのが「秋山の地蔵桜」。雪を被った山を背景にした桜が絵になっていた。そして5本目が「合戦場の桜」だ。菜の花畑越しの桜が定番だが、桜の木に近づくとその巨大さに圧倒された。
2019年4月20日 福島の桜②
合戦場の桜から三春方面へ向かって直ぐのところにあるのが「神殿神社の岩桜」だ。辺りに桜の巨木がありすぎて目立たないが、なかなか立派な桜だった。道の途中の丘の上に、形の良い桜を見つけた。車を停め丘に上がると「蛇盛塚の桜」とあった。大木ではないが枝ぶりが良い。三春北部最初桜は「南成田の大桜」。農道脇の斜面にひっそりと立っていた。次に訪ねたのが「平堂段の桜」。見晴らしの良い丘のてっぺんに立っていて辺りを睥睨している姿には風格が感じられた。七草木へ異動の途中で見つけたのが「成田の種蒔桜」。種蒔桜の名は各地にあるが、稲作と桜の長い関係を思わせる桜だ。
2019年4月20日 福島の桜③
七草木地区でひときは大きいのが「七草木天神桜」だ。二本の様に見えるが、根元上で二股に別れている一本桜の巨木だった。近くの「七草木桜」に立ち寄ってから、町の中心部へ移動。国道近くの「八十内かもん桜」に立ち寄る。三春藩筆頭家老の下屋敷だった場所で、かつては庭木の桜だったのかもしれない。次に向かったのが「小沢の桜」だ。この桜は巨木ではないが、横に張り出した形が面白い。三春町の隣町である田村市にあるせいか、田村市の案内パンフレットを配っていた。再び三春町に入り出合ったのが「是哉寺地蔵桜」。紅枝垂地蔵桜程有名になっていないが、傘型の枝ぶりが見事であった。
2019年4月20・21日 福島の桜④
滝桜と並び人気が高い「紅枝垂れ地蔵桜」。この桜は他の桜より咲くのが遅く、例年であれば他の桜が満開の時はまだ半分も花が開いてないのだが、今年は寒さと温かさの振幅が大きかった御蔭で、3回目の訪問で漸く満開の地蔵桜に出合えた。それならばと3年前にも訪ねたことがある「上石不動桜」を訪ねる。こちらも満開で、青空をバックにした見事な枝ぶりの桜と出会う事ができた。この日の三春の桜で最後に訪ねたのが「弘法桜」。樹齢400年を超える彼岸桜が二本並んでいて、色が少し違うのが面白かった。この日は青空の下、18箇所の一本桜を巡る満足の桜旅となった。
郡山で昼を採ってから二岐温泉に向かう途中でも「堰堤の桜並木」に、そして翌日も白河へ向かう途中に「台上の桜並木」を通り、今回の福島桜旅を締めくくった。
2019年4月27・28日 岐阜の桜
今年は4月に入ってから、寒い日が多かった。お陰で、経年であれば4月末には散ってしまう桜の木に花が残っていた。飛騨一宮駅前にある「臥龍桜」。樹齢1100年の古木で、斜面に低く伸びる姿を龍が臥せた姿に例えて名付けられた。4月27日の朝に訪ねた時は、満開を過ぎて散る間際の様で、花の色が白くなっていた。
臥龍桜の次に向かったのが、御母衣ダム湖畔にある「荘川桜」。こちらは例年五月連前後に花を付ける桜だ。到着するころには冷たい雨が降っていて、花は5分咲きになるかどうかの感じだ。この寒さで、開花がストップしている様だ。
翌日の28日は天候が回復した。朝に山を1山登ってから、荘川桜と臥龍桜を再訪する。荘川桜は花が膨らんできて、桜色になっているのが昨日より良く分かった。臥龍桜は1日で緑の葉が芽吹き始め、葉桜になりかけていた。満開の時期にもう一度訪ねてみたい、岐阜の二本の桜であった。
2019年5月3・4日 岩手・蔵王・相馬の桜 ➀
5月の連休を利用して、岩手の桜を訪ねることにした。先ず向かったのが「小岩井農場の一本桜」。東京を2時前に出発したお陰で農場には8時過ぎに到着。小岩井渋滞発生の前で、スムーズに農場の駐車場に入れた。青空と残雪の残る岩手山をバックにした一本桜は絵になる。次に向かったのが「弘法桜」。満開から散り際に移るタイミングの様で、花の色は白くなっていたが花に間に合った。雫石の3本目は「赤渕の桜」。国道脇にある桜で、紅色の花が満開だ。少し小ぶりのせいか、この桜を訪ねる人は殆どいない様だった。
盛岡インターまで戻り、松尾八幡平まで移動して次に訪ねたのが「為内の一本桜」。畑の高台に立っていて、桜に向かって一本の道が伸びていた。枝ぶりも良く満開の桜は、何か神々しさも感じる程だ。
2019年5月3・4日 岩手・蔵王・相馬の桜 ②
この日は道が順調で、次に遠野の桜を目指す事にする。向かったのは土淵大洞地区に残る樹齢300年の山桜「土淵大洞のオオヤマザクラ」。水車小屋も残る遠野の景観地区に指定された集落の奥にあり、谷筋に開かれた畑の真ん中に立っていた。濃い紅色の花が満開で、なかなか味のある一本桜だ。遠野地区でもう一本桜の古木を訪ねた。遠野物語に出てくる忍峠の入口に立つ松崎観音堂の脇に立つ「観音桜」だ。樹齢800年のエドヒガンで、満開の桜が道路に覆い被さっていた。
翌日は一路南下し、西蔵王牧場の用の山桜を訪ねる。牧草地になる前から自生していた山桜が残され、牧草地の中に点在している景色が素晴らしい。シンボルの「大山桜」は特に表示が無いが、龍山への登山道を少し入った処に、ひときは大きな山桜の古木が立っていた。地元の人に教えてもらい漸くその桜を特定出来た。
蔵王から福島の浜通りに移動し「新田の桜」を訪ねたが、折からの暖かさで丁度花が散った処の様で、桜の大木はオレンジ色の若葉に染まっていた。最後に近くにある「越代の桜」を訪ねる。こちらは花吹雪のタイミングで、山桜の大木から沢山の花びらが風に舞う桜に出会うことが出来た。春の桜旅の終わりを告げている様であった。